銭形平次捕物控 094 死相の女 / 野村胡堂
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ともすれば逃げ腰になる七平は、江戸に住み付いた遠国者らしい、五十前後の線の太い親爺でした。
ほど証人があります。一行十七人、悠々閑々と歩いて江戸に入って、浜町へ辿り着いたのはその翌る日の昼過ぎ。
「大層なお元気でございました。このまま江戸へ入っちゃつまらないからと、若い方々が無理にお泊りになったようで
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江の島へ行ったのは十七人、滝松もその一人で、鳴子屋の女主人
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「両国の玄々斎ですよ」
両国の広小路に、葭簾か何か張って、弟子の一人も使っている人相見、その頃、
両国の人相見が、いよいよここに登場したのです。
「親分、両国へ行ってみましょうか」
ガラッ八は残る陽足を惜しむように両国へ飛びます。
平次はあきらめて両国へ、八五郎の後を追いました。広小路の葭簾小屋を覗くと、中は空っぽ、薄
「両国だ」
真っ直ぐに両国へ――。
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「何がお早うだい、先刻上野の午刻(十二時)が鳴ったぜ、冗談じゃない」
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小屋を覗くと、中は空っぽ、薄暗くなると引揚げて、浜町の家へ帰ることを確かめて、玄々斎の隠れ家へ辿り着いたのは、もう
平次とガラッ八は、夜の更けるも厭わず、もう一度浜町の玄々斎の家へ引返したことは言うまでもありません。
。一行十七人、悠々閑々と歩いて江戸に入って、浜町へ辿り着いたのはその翌る日の昼過ぎ。
平次はいきなり番頭を呼出して、五日前の晩の、浜町の江の島詣りの連中のことを訊ねました。
二人は番頭に礼を言って、一気に浜町まで飛びました。玄々斎の家を覗くと空っぽ。
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の女主人の殺された晩は、若い者の発議で品川に泊り、その晩半分ほどは土地で遊んだことまで、あり余るほど証人が
に気が付かずにいたんだ。今日はひとつ品川まで行ってみよう」
平次は急に仕度をすると、ガラッ八をつれて品川まで歩きました。日本橋から二里、平次と八五郎の達者な足で
たまま二里の道を中橋まで来て、夜明け前に品川へ引返した滝松は恐ろしい人間だよ」
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をすると、ガラッ八をつれて品川まで歩きました。日本橋から二里、平次と八五郎の達者な足で飛ぶと、たった一刻で