銭形平次捕物控 168 詭計の豆 / 野村胡堂
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――四つ五つから、十四五まで、関東から甲州、信州へかけて、旅から旅と興行を続けておりましたが、今
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れると――四つ五つから、十四五まで、関東から甲州、信州へかけて、旅から旅と興行を続けておりましたが
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ましたが、今から五年前、親方の南左衛門が江戸へ出て両国に小屋を掛けて興行をしたとき、贋金使いに掛り合っ
も知らず、お蔭で罪は免れましたが、その代り江戸の真ん中へ、頼る人もなく投り出されてしまったのでございます」
「江戸に知り合いが一人もなく、見世物や軽業は、構われたも同様で、今さら
、なんとか小町に好かれそうな人柄でもない。江戸の町娘は見識が高いから、親の気に入らなくて勘当された許婚
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「親分、若旦那があんなに言うんだ。一とっ走り四谷へ行って、その下手人を挙げて来ようじゃありませんか」
「心配するな、曲者は四谷じゃないよ」
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「この私は、ツイ二年前までは、両国の橋の下を宿にして、使い走りから、日手間取り、たまにはあぶれて、人様
ましたが、今から五年前、親方の南左衛門が江戸へ出て両国に小屋を掛けて興行をしたとき、贋金使いに掛り合って、親方の南左衛門は
――私はなんの分別もなく両国の橋の下に潜り込んでしまいました。昼はあっちこっちの小屋へ行って掃除
の年の春でございました。大店の番頭さんらしい人が、両国の橋の下にいる文吉と名差しで訪ねて来て――申し忘れましたが、私の元の
がらない有様でございます。申すまでもなく忠五郎は、両国の橋の下から、私を拾ってくれた大恩人で、この世にかけ替のない人間でご
その代りに乳母のお安を抱き込んで、お安の知合の倅、両国の軽業小屋から流れ出した、文吉を若旦那に仕立てて、小田原で磨きをかけ
れほどの太てえ奴が、なんだって親分のところへ来て、両国の橋の下から拾われたの、乞食までしたのと、余計なことをペラペラしゃべ
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――私を両国橋の下から拾いあげて、小松屋へ連れていったのは、小松屋の番頭の
し小田原へ人をやって、それからそれと手繰れば、両国橋の下の古巣まで露見するよ」