調布 江戸 神田

（例）調布

、秋祭の傅統がその頃まで殘つて居て、江戸では見られぬ異國的な盛大さが觀物だつたのです。

良い目明しでした。この邊は伊奈半左衞門の支配で、江戸の眞ん中と違つて、事件は少ないやうです。が、人間と人間

の三五郎、中年者の強かな男ですが、平次には江戸で恩になつたことがあり、折角呼んだのだから、存分に御馳走

「江戸の親分樣」

八五郎は起ち上がりました。甚だ尾籠な腰つきですが、江戸の親分と呼ばれては、顫へてばかりも居られません。窓を開ける

「お願ひでございます。江戸の親分さん、私は殺されかけて居ります。どうぞ、お助けを――

ところへ平次と八五郎が來ると、早速呼び寄せられて、江戸の高名な御用聞と近づきになり、三五郎と三人連れ立つて、村祭の宵宮

續出するので、すつかり氣を腐らして居るところへ、江戸から高名な岡つ引が、お隣りへ來るといふ噂をきいたのです

て、お隣りの三五郎親分の家へ來たといふ、江戸の御用聞に逢ひ、事情を打ちあけて、相談して見たかつたのです

江戸の御用聞の前に引出されて、細々とした内儀は、心持顫へて

平次もツイ乘り出した。江戸の御用聞の口を出す場所ではないのですが、三五郎の子分達は

「錢形だか何んだか知らないが、江戸の外へ出て、そんな口はきいて貰ひ度くない。私は、

道はもう江戸に入つて居りました。此處でも秋祭の太鼓の音が、何處

「神田の平次といふものだよ」

を三五郎に引渡し、翌る日のお祭を見物して、平次は神田へ引揚げました。道々、