銭形平次捕物控 010 七人の花嫁 / 野村胡堂
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は、兩國の水茶屋へ出るのは止して了つて、八丁堀の與力、笹野新三郎のところへ、手不足の時だけ手傳ふのが精々、
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を漕ぎ廻つて居りました。これは、濱町河岸から駒形まで、兩岸の人家には眼もくれずに、川の中に浮んで居る
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松は過ぎましたが、妙に生暖かいせゐか、まだ江戸の街にも屠蘇の醉が殘つて居るやうな晝下がり、中年者の客
粒選りの若い者に擔がせた五梃の駕籠は、江戸の街の宵霜を踏んで、丁度明神下から鼠屋横町へ拔けようとし
居るうちに、七匹の雌は一と纒にして江戸から送り出す手筈が出來て居るんだ。私はお處刑になるだらうが、
「何? 一と纒にして江戸から送り出す?」
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される頃は、お靜を始め七人の花嫁は、島原か長崎へ叩き賣られて居るよ」
や子分で、美しい盛りの七人の女を、船で島原か長崎へ持つて行つて、いゝ値に賣り飛ばさうとする矢先を、危
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頃は、お靜を始め七人の花嫁は、島原か長崎へ叩き賣られて居るよ」
で、美しい盛りの七人の女を、船で島原か長崎へ持つて行つて、いゝ値に賣り飛ばさうとする矢先を、危ふく
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「そんな話ぢやねえ。聞けば近頃、神田から日本橋へかけて、花嫁がチヨイチヨイ消えてなくなるさうだな」
日本橋の十軒店から神田の末廣町まで、自動車で飛ばせば五分くらゐで行つて
近頃彼方此方の花嫁が盜まれる。それも、神田一圓と日本橋の數ヶ町かけての祝言ばかりを狙つて、暮から六人も
中に毎日、幾つあるか判らない祝言のうちから、神田日本橋のを選り出して聞くなどは、呉服屋へ行つたところで、何の足しに
商賣を調べて見ました。第一番に、神田日本橋の呉服屋、越後屋、白木屋をはじめ、筋の立つたところを全部當つて見
平次は夜となく晝となく、神田から日本橋を、へと/\になるまで彷徨ひ歩きました。途に落ちた
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「そんな話ぢやねえ。聞けば近頃、神田から日本橋へかけて、花嫁がチヨイチヨイ消えてなくなるさうだな」
日本橋の十軒店から神田の末廣町まで、自動車で飛ばせば五分くらゐで行つてしまひますが、
革屋町(今の松下町)の染物屋の娘お辰、同じ神田鍋町の酒屋伊勢直へ嫁入りさせましたが、何處で何う摺り替へられ
たのは、何處から來たともなく、二三年此方、神田あたりを彷徨ひ歩く女乞食のお六、これは金看板の白痴で、何
の通り、近頃彼方此方の花嫁が盜まれる。それも、神田一圓と日本橋の數ヶ町かけての祝言ばかりを狙つて、暮から
江戸中に毎日、幾つあるか判らない祝言のうちから、神田日本橋のを選り出して聞くなどは、呉服屋へ行つたところで、何の足し
あらゆる商賣を調べて見ました。第一番に、神田日本橋の呉服屋、越後屋、白木屋をはじめ、筋の立つたところを全部當つて
平次は夜となく晝となく、神田から日本橋を、へと/\になるまで彷徨ひ歩きました。途に
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きつて居ります。高田お藥園の手入の時だつて、お茶の水の空屋に吊された時だつて、親分は見事に救つて下すつたぢや
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知らない知らない。たつて探したかつたら、裏は神田川だ。水の底でも覗いて見るがいゝ」
障子を開けると、目の下は眞つ黒に濁つた神田川の流れ、平次の胸には、始めて事件の謎を解く最後の曙光