外神田 江戸 佐久間町 下谷 神田

内々は『美男番附』の積りでね。尤も去年は外神田の『娘番附』といふのを拵へ、瓦版にしてバラ撒いた

「日本も日本、江戸の眞ん中、神田向柳原で、洒落れた野郎が『息子番附』と

た當座、二年三年は給金も溜りましたが、江戸の水に馴れると、ろくでも無い事を覺えますから、溜つた給金

、色の淺黒い半纒姿、キリヽとした眼鼻立も江戸の町娘好みと言ふ柄です。

「東、大關は佐久間町の酒屋、丹波屋の伜清次郎、西の大關は棟梁乙松の伜で辰三郎、

「最初から話さなきやわかりませんがね、佐久間町の米屋の隱居藤兵衞といふのは、もう六十を越した年寄ですが、老耄

最初に佐久間町の丹波屋に行つた平次は、一人息子を亡くして、悲歎にくれてゐる兩親を

「ところが、その孫娘のお芳といふのは、神田下谷きつての良いきりやうで、番附面では張出大關だが、版元

「日本も日本、江戸の眞ん中、神田向柳原で、洒落れた野郎が『息子番附』といふのを拵えまし

「ところが、その孫娘のお芳といふのは、神田下谷きつての良いきりやうで、番附面では張出大關だが、