北海道 銀座 目黒 品川

三片也、これはビルディングの小母さんに頼まれて、北海道にいる悴へ書いた手紙のお礼だったのです。

東野南次の代作業は、そんな大げさなものではなく、銀座裏に小さいビルディングを持っている友人を口説いて、五階のてっぺんの小さい

階子段を登る人の足音に神経を立てたり、窓から見える銀座の路地の一角の、若い女の姿に胸轟かせたりしましたが

後、落魄の小説家東野南次は、その浅ましい死骸を、裏銀座の街上に横たえる運命でした。真に一瞬の後、――が

を得ず外科医も立ち会いの上、手提袋を開けて、目黒の駅の近くで曾我野幽里子――という宛名を見つけました。

宅に用事も溜っているから――と母親は一日目黒の家に帰り、臨時に雇った看護婦も出かけて、東野南次が、その

はありませんが、天気さえ良ければ、富士も見られ品川の海も眺められます。