湯島 江戸 小石川 両国 下谷 神田 浅草 日本橋

があったとは存じません。もっとも、近いうちに、湯島の山崎屋専助へ嫁にやるはずで、祝言の日取まで決めておりまし

その晩、偽平次の強盗は、湯島の山崎屋に入りました。湯島は平次の縄張ですから、昨夜八五郎に

偽平次の強盗は、湯島の山崎屋に入りました。湯島は平次の縄張ですから、昨夜八五郎に「俺の縄張を荒さないのが

だね、まア、いい塩梅だ、今度は文句なしに、湯島の山崎屋へ嫁に行きなさるだろう？」

そこから湯島まで一と走り、山崎屋の裏口へ八を立たせた平次は、

江戸名物の御用聞銭形の平次が、後にも前にもこんなひどい目に逢っ

それがみんな浅草下谷に集中して、芝に一軒、小石川に一軒ありますが、悉く平次の縄張を除けているのも不思議です。

「それから、軽業の芸人で、両国の小屋に居る古川一座の甚三郎、こいつは曲毬の名人で、投げ銭ぐらいはや

平次とガラッ八は、その足を両国に伸して、古川一座の軽業手品を見物しておりました。お藤の関係した甚三

「俺は両国へ行って来るよ、甚三郎の曲毬は暇ッつぶしには悪くないぜ。少し遅くなる

中山半七郎殺しの疑いで、両国の軽業小屋から、三輪の万七が曲毬の甚三郎を挙げたのは、その翌る日の昼

両余りと、少し浮気っぽいという評判はあったが、下谷一番と言われた小町娘のお藤をさらって行ったのです。

中を八ヶ所も荒しておりました。それがみんな浅草下谷に集中して、芝に一軒、小石川に一軒ありますが、悉く

少し浮気っぽいにしても、全く抜群の美しさ、下谷小町と言われたのも決して嘘ではありません。

それから二三軒当って、神田へ帰ったのは夕方、さすがの平次もがっかりして、物静かにいたわって

「神田から日本橋へかけて、少し赤い痣を探しましょう、親分」

駆け付けて、明るいところへ持って行ってみると、手拭は神田台所町の酒屋で配ったもので、頬冠りをして、ちょうど頬の当るあたり

江戸中を八ヶ所も荒しておりました。それがみんな浅草下谷に集中して、芝に一軒、小石川に一軒ありますが、

――あの眼を潰された惣吉も、一年前まで浅草の出店に居て、お藤と変な評判が立ったそうですよ」

「神田から日本橋へかけて、少し赤い痣を探しましょう、親分」