八丁堀 江戸 神奈川 麹町 神田 八王子

評判娘がゆうべ人手に掛って死んだってね。――けさ八丁堀の組屋敷へ行くとその噂で持ちきりだ」

手を振りました。そうでなくてさえ、この二三年江戸の捕物は銭形平次一人手柄で、いい加減御用聞仲間の嫉視を買い、面

ガラッ八の八五郎は少しあわてました。二三年前江戸で鳴らしたお狩場の四郎。それは、一度銭形平次に挙げられて、処刑

「さア判らねえ、お狩場の四郎が江戸へ入って来たとすると、こいつは最初っからやり直しだ」

「いえ、江戸に出ております」

「兼松どんは江戸一番の正直者です。人なんか殺せる男じゃございません」

そんな事もあるでしょう、血のついた着物を着て、江戸の町は歩けません。お照さんの部屋で物音のしたのは、

「茶にしちゃいけません。五日四晩、江戸から、房州、神奈川まで、下っ引と三人、夜の目も寝ずに捜した

お狩場の四郎の怨みを言い含められ、四郎が死ぬと、江戸へ出て来て、向柳原の借家に入り、宇太八は世を忍ぶため

のがいい。お狩場の四郎の娘と知れては、江戸では住みにくかろう」

それから下女のお北に逢ってみました。在所は神奈川、年は三十、出戻りで不縹緻で、御飯を炊くより外には、あまり

だが、奉公人の身許を残らず洗ってくれ。房州と神奈川へは、下っ引を出すんだ。いいか、大急ぎだぞ」

ちゃいけません。五日四晩、江戸から、房州、神奈川まで、下っ引と三人、夜の目も寝ずに捜した揚句――」

「ね、親分、聞いたでしょう。麹町六丁目の娘殺し」

大罪を許して貰って、ぬくぬくと栄耀をつづけている、麹町六丁目の桜屋六兵衛一家。第二番目には、このお狩場の四郎を

神田から麹町六丁目へ、決して近い道ではありませんが、物をも言わずに

二人は五日目で麹町六丁目へ飛びました。

神田から麹町六丁目へ、決して近い道ではありませんが、物をも言わ

を殿に、お照を中に挟んで、六丁目から神田へ引揚げるその日の平次は、晩秋の薄寒い夕映えの中に、本当に満ち足り

たら、主人も気が落着くでしょうから、私は今晩中に八王子在の田舎へ帰ることにしました。――この通り」