銭形平次捕物控 154 凧の詭計 / 野村胡堂
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檢屍が濟んで、昨日の中に母屋へ移したが、小牧の旦那が此の中でやられたんだ。手燭を斬り落されてゐるところを
小牧の屋敷では重なる騷ぎに煮えこぼれるやう。美しい娘のお優が、昨夜眞
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「お察しの通りだ。實はね、親分、川崎の小牧半兵衞が殺されたんで――」
「そこで旅をしろ――といふのか。川崎や品川ぢや旅といふほどの遠道ぢやあるめえ。ところでお前は孫三郎親分を
段ぢやありません。去年友達と江の島へ行つた歸り、川崎の萬年屋から使ひをやつて、旅籠代と小遣を借りましたよ
「川崎から江戸へ行列を組んで八枚で飛ばしたつて、三兩要るわけはねえ
の御用聞の平次が、八州役人の支配してゐる、川崎まで乘出すことになつたのでした。
錢形平次と八五郎が、兎も角、土地の御用聞川崎の孫三郎の家に草鞋を脱いだのは、その日ももう申刻近い刻限
傳七郎は輕くあしらひますが、江戸の御用聞で、川崎まで乘出して、我物顏に振舞ふとでも思つたのか、その反感
は大抵馬鹿だよ。――それに比べると傳七郎は川崎一番の正直者さ。伯父殺しの下手人が又六と判ると、ツイ
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旅籠屋の諸拂を濟ました上、その晩うんと飮んで江戸へ歸る路用が三兩――」
「川崎から江戸へ行列を組んで八枚で飛ばしたつて、三兩要るわけはねえ。それ
立てる張合もありません。併しこんな事がきつかけで、江戸の御用聞の平次が、八州役人の支配してゐる、川崎まで乘出すこと
傳七郎は輕くあしらひますが、江戸の御用聞で、川崎まで乘出して、我物顏に振舞ふとでも思つ
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「知つてゐるの段ぢやありません。去年友達と江の島へ行つた歸り、川崎の萬年屋から使ひをやつて、旅籠代と
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「そこで旅をしろ――といふのか。川崎や品川ぢや旅といふほどの遠道ぢやあるめえ。ところでお前は孫三郎親分を知
恐ろしく勘定高くて握りつ拳で口やかましくて奉公人泣かせですよ。品川の茶屋の娘ださうで、又六とは仲が良かつたやうです
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「三年になります。その前は日本橋の佐野屋さんの帳場に居りましたが、佐野屋さんが分散した時、
に居る叔母さんはどんな人間か、暮し向はどうか、日本橋の佐野屋に居る時の勤め振りもわかると宜いが、これは急のこと