銭形平次捕物控 101 お秀の父 / 野村胡堂
地名一覧
駒形
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「砧右之助は駒形の六兵衛店に、偽名もせずにいる。丁寧につれて来るがいい、
江戸
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それをいちいちとがめたり縛ったりしていた日には、江戸の人間の半分ほどは岡っ引にしなきゃなるまい。ちょいと怪しい事があっても
だから隠すなと言ってるじゃないか、――その時江戸へ持って来た大事な書き物があったはずだ。それをこの土竈に隠し
の絵図面を盗み出し、多年積んだ不義の富を拐帯して江戸の坩堝の中に深く隠れてしまったのです。
両国
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ガラッ八の八五郎が、両国の水茶屋朝野屋の様子を、三日つづけて見張っておりました。
れて、小股が締って、白粉が嫌いで、茶碗酒が好きで、両国きっての評判者。その親父の留助は、酒の好きなところだけが娘に似ている
争いは次第に真剣になって行くばかりです。両国名物のお秀、弱い稼業の女には違いありませんが意地も張りも、刃のように
どく物を考えていたぜ――あれは身投げの場所を捜しに両国へやって来たのさ。つかまえて、不心得を意見してやりたいが、いかに十手
、湯屋や寄席の帰りで履物を間違えたのならともかく、両国の盛り場を、跛の下駄を履いて歩くわけはない」
両国の帰り、宵闇の柳原をブラリブラリと歩きながら八五郎はたまり兼ねたよう
「親分、両国に殺しがありましたよ、すぐ願います」
両国へ行ってみると、まだ時刻が早いので大した人立ちもせず、
平次はお世辞を言い捨てて、疾風のごとく両国の水茶屋に引返しました。
両国の橋へかけての真昼の人雪崩。
神田
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「神田の平次でございます。十二年前の芸州に起った事、鳴川留之