江戸 神田

と、三尊の來迎が拜まれるといふ俗説があり、江戸の海邊や高臺は凉みがてらの人の山で、有徳の町人や風流人

せられ、お國は罪の疑はしい者といふ酌量で、江戸を追放され、それつきり行方不明になり、神山守は改めて久米野に婿入

あつて、露月町の金六の縛つたものを、あつしが神田から飛込んで行つて、すぐ繩を解かせるといふわけには參りませ

妙なところへ、神田から遙々錢形平次がやつて來たのは、金六にも腑に落ち

「お前は今朝、神田の俺の家へ來て『二人で口を合せさへすれば』とお玉

憎さにちよいと手傳つたのだらう。翌る日神山守が神田の俺の家へ來たのを追かけて樣子を見に來たが、