銭形平次捕物控 250 母娘巡礼 / 野村胡堂
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「八丁堀の組屋敷から、お南の書き役まで一と廻りやつて來たが」
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平次は根岸から來た三吉の顏を見ると、茶碗を抛り出して飛出したのです。
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で、同國といふだけでございます。私と母が江戸へ出て、頼るところも無くて困つて居るのを、引取つてくれまし
ものを興行してゐる野郎はありやしませんか。江戸は廣いし、物好きな人間の數が多いから、山の手のタチの惡い旗本
して、大捕物から火消になりました。その頃の江戸の町が、どんなに火事に對して敏感であつたかは言ふ迄もあり
ます。路用まで澤山頂戴して――もう決して二度と江戸へ出ることぢやございません、巳之松さんの冥福をお所りして生涯相良
、菜の花畠の中を、二人の異樣な御詠歌が、江戸の坩堝を遠ざかつて行くのです。
「親分、――まだ江戸には切支丹宗徒がうんと居ますぜ」
「そいつをほじくり出して、又江戸に磔刑柱を百本も立てたいとお前は言ふのか」
かうして、元治九年の大迫害以後、江戸からは切支丹の姿を潜めましたが、地下水の如く潛透して、細々と
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「あの二人は、もう川崎かな、足弱づれだから、まだ南品川でブラ/\して居るかも知れ
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實權は錢形平次が握つたも同樣、それに淺草下谷から狩り集めた組子がざつと三十人。
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、昨日八五郎の手紙を持つて來て、明神下から上野山下まで、平次をおびき出した、あの狐のやうな感じのする美女に間違ひ
「上野のお山中を夢中にさしたといふ名題の白狐ですよ、お梅と
俺の家へ來たのだよ。俺を誘ひ出して、上野山下まで來ると、急に氣が變つて、俺を拔け裏でまい
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まい。お前達は皆んな揃つて、磔刑臺の上から、品川の海が眺められるよ――と斯う」
、私はもう喜んで、昔々の聖者達のやうに、品川の海を眺めて燒かれて死んでしまひます」
母娘巡禮は見返り勝ちに品川へ入つて行きます。