銭形平次捕物控 172 神隠し / 野村胡堂
地名一覧
地名をクリックすると地図が表示されます
三日も前のことだ、江戸から連れ出すものなら、もう箱根を越して居るよ。だがな八、若樣の秀太郎とかは、あまり
地名をクリックすると地図が表示されます
は、はにかんで何んにも言はないし、神田から番町へかけての、玩具屋にも駄菓子屋にも何んの變りもない。
地名をクリックすると地図が表示されます
「人さらひなら、江戸から出さないやうに、四宿と船の出入りを見張らなきやなりませんね
「三日も前のことだ、江戸から連れ出すものなら、もう箱根を越して居るよ。だがな八、若樣
「江戸の眞ん中で、そんな馬鹿なことがあるわけはない。いづれ人間の仕業
地名をクリックすると地図が表示されます
の跡取に直されるかも知れない――と、用人の松山常五郎といふ人がやつて來て、たつての頼みだ」
用人の松山常五郎は手を取らぬばかりの喜びやうです。四十五六の用人摺れ
あとは用人の松山常五郎をのぞけば、一季半季の奉公人ばかりです。そのうちの一人、先刻案内
、掛り合の近所の衆と、それに堀江家の用人松山常五郎が出て見張りをして居りますが、何う處置したものか、
平次は用人の松山常五郎に訊ねました。
松山常五郎の調子には、ひどく三次をこきおろすやうな響きがあります。
松山常五郎が案内して堀江の屋敷に入りました。
松山常五郎はそれを見て、辯解らしく言ひます。
お淺、弟の月岡某夫婦、それに堀江家の用人松山常五郎と、錢形平次、その子分八五郎の七人でした。
三人目、用人松山常五郎は默つてうなづきました。
「一言もない、まさにその通りだ。萬事は此松山常五郎の不行屆から起つたこと、御免」
、二本差は、すぐそれだから大嫌ひさ。ね、松山樣、腹を切つたつて、納まるものは納まり、納まらないものは納まりませ
平次はあわてて留めました。この松山常五郎といふ用人は、平次の鑑定通り見かけに寄らぬ純情家だつたの
地名をクリックすると地図が表示されます
晩秋のある日、神田の裏長屋の上にも、赤蜻蛉がスイスイと飛んで、凉しい風が、素袷
の時次郎は、はにかんで何んにも言はないし、神田から番町へかけての、玩具屋にも駄菓子屋にも何んの變り
地名をクリックすると地図が表示されます
「市ヶ谷でございます。もう三十を越した方で、御不縁になつて奧樣
「八、市ヶ谷に廻つて、奧方の里方に居る妹さんに逢つて見てくれ。
いふものだらう。――ところで、今晩俺と一緒に市ヶ谷の奧方のお里まで行つてくれ」
その晩市ヶ谷の月岡某の浪宅――堀江頼母の奧方の里方に集まつたの