八丁堀 江戸 調布 金杉 浜松町

最初の手段は、まだ八丁堀に留められている久吉に逢って、隠宅を飛び出してから、路地の死骸の

八丁堀の組屋敷へ行って、係りの与力に事情を話し、その許しを受けて、

た――こればかりは真物の、井戸の茶碗を抱いて江戸に下り、それを売って身を立てる代にするつもりでしたが、骨董屋は

経っても売れそうもありません。強気の彦太郎もいよいよ江戸には縁がないものと諦めて、古道具屋から茶碗を取り上げ、それを持っ

土地の人に大尽風を吹かせていたところへ、江戸の御用聞の八五郎が踏込んだのです。その金の中に、要屋

が、いや気がさしたものか、暇を取って在所の調布へ帰ったようですよ」

「調布へ行って、久吉がどんな様子で帰ったか調べてくれ。五十両と纏まっ

八五郎を調布へやると、平次は、もう一度芝へ行きました。浜松町から神明一帯を

ガラッ八が手代久吉を調布から縛って来たのはその翌る日でした。在所へ帰ってすっかり気を許し

金杉の竹松は、獲物を嗅ぎ出した猟犬のように飛びました。

そんなことを考えながら、浜松町の路地を入って、ハタと当惑しました。三年前から養子の

浜松町の路地を出て、要屋の店の前を、神明の方へ行っ

でちょうど出役していた同心などが集まり、見知り人を浜松町の要屋に走らせて、月の路地の中ながら、取調べが始まります

へやると、平次は、もう一度芝へ行きました。浜松町から神明一帯を訊いて廻って、久吉が日頃手なずけているという、少し