駿府 江戸 長崎 巣鴨 神田

ブラ下げて歩く、不徹底な生活に見きりをつけ、故郷の駿府からいろ／＼の土産を江戸に運んで賣り擴め、多分の利潤をあげ

「へエ、あとは駿府の出店の方へ參つて居ります」

見きりをつけ、故郷の駿府からいろ／＼の土産を江戸に運んで賣り擴め、多分の利潤をあげて、一代に何萬と

「番頭さんが喘息持で、長崎の知合から送り屆けて貰つたやうで、白い砂糖を時々甞め

「巣鴨から參りました。姉が殺されてゐたんです。そして私は

「私はあの、巣鴨の梅の屋の者ですが――」

平次がさう言つたのも無理のないことでした。巣鴨仲町の梅の屋といふのは、梅田林右衞門といふ御家人上がりで

平次が巣鴨仲町の梅の屋へ行つた時は、檢屍も濟んでお葬ひの

寅松はそんな事を言ひ乍ら、巣鴨仲町の一角を占むる梅の屋の大きな店構へを指し乍ら語り續

だ――途中で甞めちやいけないよ。八五郎が巣鴨の往來で行倒れになつちや大變だ」

へ行かない方が宜い。この儘そつと裏口から飛び出して、神田明神下の錢形親分さんのところへ行つて、お願ひして見るが

、この娘は逃げも隱れもしたわけぢやないよ。神田まで俺を迎へに來たんだ」