名古屋 江戸 日枝神社 甲府 神田

あつたんですよ、――女と女の大鞘當、名古屋のお三に不破のお伴」

昔の江戸は、非常に雷鳴の多いところで、甲州盆地や、上州の平野で育てられ

育てられた雲の峯が、氣流の關係で大部分は江戸の眞上に流れ、此處で空中放電の大亂舞となつて、三日

の宵宮も、一種の情緒を持つた賑はひで、江戸でなければならぬ面白さでしたが、その日は生憎の大夕立で出足

「が、禍ひは何處にあるかわからない。甲府から江戸へ、御上の御用で幾度となく往來するうち、――年頃の伜を一人

日枝神社の山王祭と共に、御用祭又は天下祭と言はれ、隔年に行は

ましたが、今年の春お勤めの不首尾とやらで、甲府で腹を切つたとか聞いてをります。師匠もそれを話しては

の一つと思ひ、充分教へもし勵ましもして、甲府へ差し立てた」

、最初から良い役付を狙ふわけに行かない。閑職の甲府勤番になるのも、出世の梯子段の一つと思ひ、充分教へもし勵

「が、禍ひは何處にあるかわからない。甲府から江戸へ、御上の御用で幾度となく往來するうち、――年頃の

「散々見られましたよ。何しろ明日は神田祭だ、宵宮の今晩から、華々しくやるつもりの踊り舞臺にポツリポツリと降つ

明日の神田祭を控へて、九月十四日の明神下――御臺所町、同朋

捕物は少しばかり汗を掻かせましたが、それよりも神田祭の人出が宏大な彌次馬群になつて、十重二十重に路地を

「でも、あの大夕立の中を、神田一番の綺麗な年増が裸體で屋根を渡つて人殺しに行つたと

「その代り、神田一番の結構な年増が、飛んだ侠氣な、良い女とわかつた