九州 平戸 牛込 八丁堀 名古屋 大阪 江戸 川崎 福井 長崎 神田

「九州のさる大藩といふことだが、確かなことは私も知らないよ」

なるかな。――近所に住んでゐて、何方も九州生れで、似たやうな下手碁だから、ツイ錢湯で懇意になつたの

「何んでも、三年以前までは九州のさる大藩で、同役であつたといふことだ。城彈三郎氏は何

て貰ひたい。――實は拙者と城彈三郎は、九州のさる大藩に仕へて、外國船の出入りを取締つて居たことがある

「大村藩で御座いませうね。――それとも平戸？　鍋島」

「牛込御納戸町の河西源太殿」

。親心を無にしちやいけない。俺は此手紙を八丁堀の笹野の旦那にお目にかけるよ。――お松と時次のことが

通つた男、取引した南蠻物を持つて、大阪、名古屋、江戸と、諸國の港を渡り、それを金に代へて、夥しい金銀

顏の通つた男、取引した南蠻物を持つて、大阪、名古屋、江戸と、諸國の港を渡り、それを金に代へて、

が來て、何彼と世話を燒いて居りますが、江戸には知合が無かつたのか、あとは近所の衆ばかり、何を聽

たが、間もなく高木の方も祿を捨てゝ、江戸へ來たといふことだ」

も永の暇になり、流れ／＼て二人は、同じ江戸の、しかも隣町に住んでゐることを發見したのでした。

男、取引した南蠻物を持つて、大阪、名古屋、江戸と、諸國の港を渡り、それを金に代へて、夥しい金銀を、

れても文句はない。が、有難いことに、昨夜は川崎の鶴屋に泊つて居る。小田原に所用があつて出かけ、七日目で

の言ふのは滿更拵へ事らしくもありません。川崎の旅籠屋から拔け出して來て、又川崎へ歸つて、今朝改めて川崎を發

ありません。川崎の旅籠屋から拔け出して來て、又川崎へ歸つて、今朝改めて川崎を發つて來るといふ藝當が出來ないことは

から拔け出して來て、又川崎へ歸つて、今朝改めて川崎を發つて來るといふ藝當が出來ないことは、平次の智惠をまつまで

「聽いたよ、福井町の城彈三郎といふ評判のよくない浪人者が、脇差で胸を

のは三十五六の浪人者で（後でそれは福井町に住んでゐる城彈三郎と知れましたが）脇差で左の胸

其處から平次と八五郎は、福井町の城彈三郎の浪宅へ行つて見ました。

「町方の御用を勤める平次と申すものですが、福井町の城彈三郎さんのことに就て、ちよいとお話を承はり度い

御病氣のところを飛んだ御邪魔をしますが、實は福井町の城彈三郎樣が昨夜平右衞門町で殺されましたので」

平次の注意で、一方町方の手は、福井町の城彈三郎の家を搜し、其處に夥しい禁制品を隱し

「城といふ浪人者は、長崎あたりに居たんぢやあるまいか。羅紗やギヤマンや更紗や唐木細工が

神田の家へ歸つて來ると、ガラツ八の八五郎は、欠伸をしたり