銭形平次捕物控 112 狐の嫁入 / 野村胡堂
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になっている和助が、江戸で落合って懇意になり、木曽の御留山を伐り出して巨万の暴富を積みました。
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「急所を外れるからいけないんだ。例えばあの辺から江戸へかけて質屋を張らせるとか、提灯屋を当ってみるとか」
ておりますが、まだ八州の役人も顔を見せず、江戸の御用聞の平次が来ても、遠慮しなければならぬほどの人間は
がそう言うのも無理はありません。千住の先は江戸の町奉行の管轄でなく、いわば平次は縄張違いですが、この老御用聞
「あわてちゃいけない。俺は江戸の町方の御用聞だから、八州の役人が頑張っていちゃ、いくら兄哥の
「江戸の町方のお方?――そうですか。私は和助、倅の行方を
喜八は平次を友達にしてしまいました。幸い江戸を離れると、神田の銭形平次もあまり顔を知られてはいません。
の父親は清水の旦那の若い時分の友達で、昔は江戸で一緒に仕事をしたが、清水の旦那はすっかり残して尾久に引込んで
者と、今は清水の主人になっている和助が、江戸で落合って懇意になり、木曽の御留山を伐り出して巨万の暴富を積み
だろう。一と晩五両十両の仕事になれば、江戸から稼ぎに来るのはいくらでもある」
江戸の街へ入るとすっかり夜が明けて、すがすがしい夏の朝風が頬を撫でます
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堤の上に提灯が六つ出て、そいつが行儀よく千住の方へ土手を練ったんで、川向うの尾久は祭のような騒ぎ
「王子が近いから、いずれ装束稲荷の眷族が、千住あたりの同類へ嫁入するんだろうてえことでその晩は済んだが、
か。それが六つずつ三つになって、行儀よく千住の方へ練るから見物でさ」
喜八がそう言うのも無理はありません。千住の先は江戸の町奉行の管轄でなく、いわば平次は縄張違いですが、
いろいろの仕事をつづけ、二三年前旧悪が露見して、千住の宿で自殺して相果てました。
夏は川向うの百姓家に隠していることが判り、清次郎は千住の与三松の仲間のところに隠してあることが判りました。
にお夏を浪人大井半之助に手渡してその保護に委ね、千住から和助の倅清次郎を救い出して、留守を預かるお房に引渡し、平次と
を教えてやるからと、和助の倅の清次郎をおびき出し、千住の仲間のところに隠して、和助を強請ったのさ。金を出さなきゃ
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の八五郎は、額を叩いて先に立ちました。神田から尾久まで二里に余る道ですが、こう調子づくと、八五郎は
を友達にしてしまいました。幸い江戸を離れると、神田の銭形平次もあまり顔を知られてはいません。
「神田の銭形平次兄哥を知らない者があるものか。顔を知らなくとも、
「――神田の平次が来て、下手人の目星が付いたそうだから、明日は伊太郎