モスクワ ロンドン

見聞記があつめられている。モスクワ印象記は、わたしがモスクワで暮すようになって半年ばかりたった一九二八年五月ごろ、書き終えられた。

（アパートメント）の一室だった。「子供・子供・子供のモスクワ」は一九三〇年に、同じアストージェンカのクワルティーラではあるが、こんどは前よりも

の後半期をフランス・ドイツ・イギリスで暮したわたしは、ふたたびモスクワへ帰って来たとき、どんなにつよくモスクワの生活に漂っているよろこびの感情

わたしは、ふたたびモスクワへ帰って来たとき、どんなにつよくモスクワの生活に漂っているよろこびの感情に心をうたれたろう。フランスでも子供

子供・子供・子供のモスクワ」はそういう意味で、単にモスクワの物語ではない。子供を愛す、ということは、具体的なことで、

「ロンドン一九二九年」も一九二九年の夏のロンドンで、十月にアメリカに経済恐慌がおこる直前のロンドンであった。そのころ

のロンドンで、十月にアメリカに経済恐慌がおこる直前のロンドンであった。そのころ、イギリスの失業者数は三百万人から四百万人もあった。

一人の婦人旅行者であるわたしの眼に映った一九二九年のロンドンは、マクドナルドの労働党ではどうにも救いのない状態だった。ロンドンの

の労働党ではどうにも救いのない状態だった。ロンドンの東と西にある階級のちがい、生活のちがいが、同じイギリス人とよばれる

ジャック・ロンドンが「奈落の人々」というルポルタージュを書いてロンドンの東の恐ろしい生活の細目を世界の前にひらいてみせた。イーストは一九二九

の目も、さまさせずにおかないものだった。ロンドンの二ヵ月ちかい滞在が、わたしを回心しようのない折衷主義ぎらいにした。