神楽坂 甲賀町 江戸 市ヶ谷 神田

その晩、山脇玄内は、神楽坂の質屋、天城屋六兵衛の家を襲いました。盗った金は千両箱が一

た町内の若者が数十名、天城屋の内外を始め、神楽坂の上下、蟻の這い出る隙間もなく固めてしまいました。

平次はともかくも神楽坂まで飛んで来ました。別に自信があるわけではありませんが、

したよ、――笹野の旦那のお言葉添えで、甲賀町の忍術者のところへ行って聴くと、霞流の忍術というのは大変珍しい

「江戸は広いぜ、八」

「これから市ヶ谷左内坂まで行って、成瀬九十郎の門人になろうというのだよ、お前

無駄を言いながら二人は市ヶ谷左内坂に向いました。

経ったある晩、山脇玄内の増長は羽目を外して、市ヶ谷の尾州家上屋敷に忍び込み、その金蔵に潜り込んで、千両箱を二つまで盗み出し

市ヶ谷の尾州邸へ出かけて行った平次は、奥宮鏡太郎の案内で、内外隈なく

神田の次平、五郎八と名乗って、忍術執心のことを申入れると、

「神田の次平、五郎八というのか。本来ならば町人に忍術は無用の

の責任者御蔵番奥宮鏡太郎は、用人玉垣三郎兵衛に伴われて神田の平次を訪ねて来ました。