湯島 神田 神田川

神田と湯島に、自然睨み合った形になっている御用聞が二人、娘の死骸を挟ん

「いえ、湯島の叔母のところへと言って夕方から出かけました。遅くなっても心配し

にされてはたまらないと思い込んだのでしょう。娘は湯島の叔母へ行くからと言って日暮れ前に出かけ、どこかで時を過して

「呆れた野郎だ。有馬屋は町人に違えねえが、神田で二三番と言われる万両分限だ。手前なんかに娘をくれるわけはねえ

神田と湯島に、自然睨み合った形になっている御用聞が二人、娘の

距たりもありましたが、それよりも大事なのは、神田一番と言われた美男、縫箔屋の二番息子丹次が、京で修業

のです。鞘と柄は、あんまり血に汚れたので神田川へ抛り込みましたが、中身だけは捨てる気になりませんでした」