湯島 下田 伊豆 江戸 日本橋

万治三年（一六六〇）は正月から大火があって、湯島から小網町まで焼き払い、二月は人心不安のため将軍日光社参延引を令し、六

で、お勝手には飯炊きのお熊どんと行儀見習に下田の取引先から来ているお浜さんが、燗を付けたり、料理の世話をし

「いえ、お浜といって、行儀見習に下田の取引先から来ている娘ですよ」

「ね、お浜、――お前は下田の生れだと言ったが、吉三郎を知っているかい」

は大変心配しているぜ。ただの奉公人と違って、下田の親元へ済まないって――、一人で帰るのが極りが悪きゃア、俺

「吉三郎は相模者だと言ったが、実は下田の者さ。お浜に懸想して江戸へ追っかけて来たが、お浜

「三崎や下田には投げ銛の名人がいるよ、十間も二十間も離れたところから

「吉三郎は相模者で、お前は伊豆、――海一つ向うだな、――手代の与母吉はどうだ

、年を越さないうちは嫁にもやれないから、しばらく江戸の水を呑ましてくれという親元の頼みでしてな」

「江戸では滅多に見かけない形だが――」

「今年は火の用心の御布令があって、江戸の町ではどんど焼きが御法度だそうですよ」

が、実は下田の者さ。お浜に懸想して江戸へ追っかけて来たが、お浜も満更でなかったんだろう、何べんも

勘次郎は二十三になったばかり、日本橋業平と言われた好い男で、ずいぶん罪も作った様子ですが、一

「ツイ日本橋に用事があって来ると、そこで与母吉さんに逢ってネ、

仙太は日本橋界隈を縄張にしておりますが、向う息の荒いわりには気の