銭形平次捕物控 031 濡れた千両箱 / 野村胡堂

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地名一覧

八丁堀

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ガラツ八は笹野新三郎の前を滑ると、八丁堀から谷中まで、尻をからげて宙を飛びます。

五郎にしては一生一代のお世辭です、尤も八丁堀から谷中まで考へて來たんで、これ位の事が言へたのでせう

から不動樣の縁日で見世物を二つ三つ冷かして、八丁堀へ行つてみるとしやう」

はその儘女を追立てるやうに、永代橋を渡つて、八丁堀の笹野新三郎役宅まで參りました。

寛永寺

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から歸つたのが怪しいと言ふなら、もう一人あるよ。寛永寺の役僧は、三千兩の寄進に立ち合ふ筈で、晝過ぎから寺に來

悄氣て了ひました。河内山の芝居でも解る通り、寛永寺の役僧は見識のあつたもので、町方の御用聞などは、指も差せる

た寄進主の春木屋治兵衞、住職と談合の上、寛永寺の役僧と、寺社奉行から出張の同心立會の上、三つの千兩箱

相生町

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平次の僞手紙に釣られるとも知らず、宵闇の中を相生町から深川の方へ向ひました。

江戸

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怖かつた日にや田樂が喰へねえ。かう見えても江戸の御用聞だ、矢でも鐵砲でも――」

ぬ。いづれゆる/\取出すつもりだが、俺達二人が江戸に居ては、露顯の因になる、路用をやるから、今晩中に

露顯の因になる、路用をやるから、今晩中に江戸を退散するやうに――と言ふのだ」

「百兩ありや、隨分一年や半年は江戸を遠退いてもいゝな」

深川

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深川の材木問屋春木屋の主人治兵衞が、死んだ女房の追善に、檀那

て調べる筈だつたが、法用で出かけた住職も、深川から來る筈の治兵衞も、夕立に降り込められて、陽のあるうち

人足は、陽のあるうちに、番頭の源助と一緒に深川へ引取つた。住職は大夕立に降り込められて、目黒の檀家から歸

、結構な智慧が浮ぶかも知れねえ。手前は兩國から深川へまはつて來るんだよ、丁度不動樣の御縁日だ、半日遊び廻る

平次は愛想よくお通に別れて、深川の春木屋へ急ぎました。

僞手紙に釣られるとも知らず、宵闇の中を相生町から深川の方へ向ひました。

辰藏です。夜中過ぎに千兩箱がなくなる分には、深川に居る筈の源助だけは、少くとも疑ひから除外されます。萬一新

東京

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叩かれて、ムツと立ち昇る土の香、――近頃の東京と違つて電氣事業も避雷針もない江戸時代には、びつくりする

目黒

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深川へ引取つた。住職は大夕立に降り込められて、目黒の檀家から歸つたのは薄暗くなる頃、――それから、途中から歸

「さうだよ、目黒へ御用で行つて薄暗くなる頃歸つた」

上野

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住職は六十を越した老僧で、末寺ながら上野では幅の利けた高徳、外に寺男の彌十老人と、小坊主が

上野の鐘を遠く聞いて、思はず起上ると、目の下の川の水

神田川

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尤も吊臺を擔ぎ込んだ一と間は、直ぐ神田川の河岸つぷちで、開け放した窓から往き交ふ船も見えようといふ寸法

茶店の裏は直ぐ神田川ですが、少しばかりの崖になつて、折からの上げ汐が、ヒタヒタと

永代橋

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ガラツ八はその儘女を追立てるやうに、永代橋を渡つて、八丁堀の笹野新三郎役宅まで參りました。