八丁堀 飛鳥山 江戸 王子 両国 浅草 大宮 神田 上野

、油屋の兼吉は、申訳相立ち難くそのまま留め置かれ、八丁堀の空気は、もうこの事件を解決と見ている様子なのが、ひどく平次

（例）飛鳥山

飛鳥山の花見帰り、谷中へ抜けようとする道で、銭形平次は後ろから呼止められた

する道で、銭形平次は後ろから呼止められたのです。飛鳥山の花見の行楽に、埃と酒にすっかり酔って、これから夕陽を浴びて

人達に預けると、獲物を見つけた猟犬のように、飛鳥山へ取って返します。

人や十人は見ていたはずだ。が、花時の飛鳥山にはそんな茶番は毎日二つ三つある。血糊の使い方と、巡礼の落

ん。順当に馬道を出て、多勢と一緒に順当に飛鳥山へ来たことは、時刻からみてもまず疑いはないようです。

「そんな浪人者は、飛鳥山に二三十人いましたよ、親分」

の足取りから、平次は何やら読み取るような心持で、再び飛鳥山の方へ向いましたが、お滝は山に登る様子もなく、無関心に

「首を締めたんじゃない、虚無僧になって飛鳥山で返り討ちにしたんだ。留守番の番頭と女房のお夏は下手人じゃない

、脱け出すようなはずもなく、脱け出したところで、ここから飛鳥山まで飛んで行って、虚無僧に化けて主人を殺すにしては、喜八

飛鳥山の上で、敵討騒ぎのあった時刻まで、蔀半四郎はどこにいたか

。馬道から、何を考えたか平次の足は、また飛鳥山の方へ向っているのです。

「それじゃ飛鳥山へ行って、日の暮れるまで頑張ってくれ。あの昨日の騒ぎのあった桜

「幸い、飛鳥山のあの茶店の前で仇討の茶番をする話を聴いた。――お前は

に、狭い戸口を出て、月の光を踏みながら、江戸の方へ辿りました。次第に夜の朧の中に消え込む二人の後ろ姿

、馬道は歩けません。扮装は風呂敷包にして、王子の佐野屋で着換えました」

は山に登る様子もなく、無関心に山裾を廻って、王子の町へ出ると、そのまま、後も振り向かずに、花見茶屋の佐野屋の

ある。上野の暮れ六つ（六時）が鳴ったら、王子の佐野屋の方へ降りて来い」

「十年前――お前が、小さい妹と二人で、両国で赤い股引を穿いて、玉乗りをしていた頃か」

虚無僧や巡礼だから気が強いわけで、あの扮装で浅草から繰出しましたよ、ヘエ」

「真物の虚無僧で敵持だったら、今頃は大宮あたりまで逃げ延びていますよ。飛鳥山で腕組をしながらお月様を見

滝に弄ばれたような気持で、平次はムシャクシャしながら神田へ帰って来ました。

「俺は少し訊き込みたい事がある。上野の暮れ六つ（六時）が鳴ったら、王子の佐野屋の方へ降り

やがて、雀色時、桜の梢を渡って、上野の暮れ六つの鐘が鳴ります。