銭形平次捕物控 079 十七の娘 / 野村胡堂
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「遠縁の奉公人でしたよ。十二三年前、箱根へ旦那のお供をして行つて、崖から落ちて大怪我をして、
あれは三河屋の遠縁の甥で、番頭をして居るうち箱根で怪我をして、十何年離室に置いて養つてゐるんださうで
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――檢屍が濟んだら、早く引取らせるがよい。もう直ぐ八丁堀の旦那方が見える筈だから」
投足の勞でした。わざと神田を避けて、大廻りに、八丁堀へ引いて行き、到頭恐れ入らせてしまつたのは翌る日の朝。
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のかと思ふと、眞一文字に妻戀坂を登つて湯島の方へ――
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言ふのは一々本當です。三河在から、万才の太夫で江戸へ來たといふのは、世間の惡口にしても、兎も角も、
三十年、今では萬兩分限の一人として、江戸の長者番附の前頭何番目かに据ゑられる嘉兵衞ですが、慈悲
ない、日傭取だつたさうで、――文吉と一緒に江戸へ出て來て、昔は兄弟分だつたさうですが、何時の間にやら
十二三兩は惠みましたが、――それが江戸の長者番附に乘る萬兩分限のすることでせうか、――私
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行きました。其處はお今母子の知合の家で、神田明神樣の宵宮の賑ひを拔けて、知合の家へやつて來たお今が
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行きました。其處はお今母子の知合の家で、神田明神樣の宵宮の賑ひを拔けて、知合の家へやつて來たお
專次は泣き出しさうでした。全く神田明神をめぐつて人間の洪水のやうなもので、その中を一刻泳ぎ
平次に取つては一擧手一投足の勞でした。わざと神田を避けて、大廻りに、八丁堀へ引いて行き、到頭恐れ入らせてしまつた
一人で呑み込むと、專次を奉行所假牢に送つて、もう一度神田へ引返しました。