銭形平次捕物控 028 歎きの菩薩 / 野村胡堂

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本所

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「作人は本所緑町の仏師又六、大した腕のある男じゃねえが、あの普賢菩薩だけは

江戸

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御当所名題の地獄極楽活人形、作人の儀は、江戸の名人雲龍斎又六、――八熱八寒地獄、十六別所、小地獄

、表向き遠島になるはずのところを、お上の御慈悲で江戸お構いになり、それっきり行方知れずになった方だ」

「私はお上の目を忍んで、三年前からこっそり江戸へ潜り込み、蔭ながら倅二代目勘兵衛の仕事を助けてやりました。私は

菩薩を取戻そうとしましたが、又六は私が内々江戸へ帰っていることも、倅の代作をしていることも知って、なかなか

所名前が知れるが、――そうすると、初代勘兵衛が江戸に居た事になる。構わないだろうか、師匠」

事は言わない、師匠、お倉をつれて、どこか江戸の岡っ引の手が届かないところへ行って貰いましょうか。親の敵討が許さ

初代一刀斎勘兵衛も、嫁のお倉も、それっきり江戸に姿を見せませんが、時々思いも寄らぬ土地から、一刀彫りの素晴しい人形

両国

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「そんなものじゃねえ、両国の小屋――近頃評判の地獄極楽の活人形の看板になっている普賢菩薩様が、

かいながらも、銭形の平次は支度に取りかかりました。両国の活人形が泣いているというのは、どうせ勧進元のサクラに言わせる細工で

「口が悪いな親分、もっともここから向う両国までは一と走りだから、涙の乾く前に着くかも解らない」

っ気なしの疣尻巻、投げやりな様子も、一種の魅力で、両国中の客をここへ吸い寄せたのは、何としても普賢菩薩のせいばかりではない

のお倉は、委細構わず、素晴らしい次高音を響かせて、両国中の客を、鉄片を吸う磁石のように、ここへ集めております。

それとはなしに、東西両国を見張らせていたガラッ八が、鉄砲玉のように平次のところへ飛込んで来ま

「両国には相違ねえが、あの小屋からずっと離れた亀沢町の路地に若い男が、殺さ

平次とガラッ八はそのまま両国へ――。

来たのは地獄極楽人形の小屋に居る美しい木戸番、あの両国中へ桃色の次高音を撒き散らしている、お倉だったのです。

を持ちながら、茶屋女にも町芸妓にもならず、進んで、両国の見世物小屋へ、ここから通っているのだと教えてくれました。

真っ直ぐに向う両国へ――。

に愛想を尽かして飛出し、人もあろうに又六を頼って、両国の小屋の木戸番にまでなり下がりました」

――その上、自分の下手な地獄極楽の活人形と並べて、両国の小屋へ飾ったのですから、倅が腹を立てたのも無理はありません。その上

うとう我慢が出来なくなって、小舟で浜町川岸から向う両国に渡り、手桶に隅田川の水をくみ込んで、嫁の手引で小屋に忍び込み、せめ

上野

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「あれ? 上野の時の鐘なら毎日聞いているが――」

浜町

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「そうだろうと思ったよ、勘兵衛の家は浜町だ。橋番所があるから、明け方表から小屋へは忍び込めねえはずだ」

「その鑿が、浜町の勘兵衛の仕事場から出た品ですよ、柄には丸に勘の字

てくれました。とうとう我慢が出来なくなって、小舟で浜町川岸から向う両国に渡り、手桶に隅田川の水をくみ込んで、嫁の手引

神田

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、時々思いも寄らぬ土地から、一刀彫りの素晴しい人形が、神田の平次のところへ送って来ることがありました。諸国名物一刀彫の中

両国橋

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二人は無駄を言いながら、朝の街を飛ぶように、両国橋を渡って、地獄極楽の見世物の前に立った時は、もう気の

隅田川

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なって、小舟で浜町川岸から向う両国に渡り、手桶に隅田川の水をくみ込んで、嫁の手引で小屋に忍び込み、せめても下品な彩色