銭形平次捕物控 219 鐘の音 / 野村胡堂
地名一覧
八丁堀
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搏つて、俺の脈は六十二搏つ――なんてことを、八丁堀の旦那方が眞面目に聽いてくれると思ふか」
赤坂
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、八五郎を二度三度と走らせて、日本橋から赤坂へ、いろ/\の情報を掻き集めました。それに依ると、
江戸
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「親分、近頃江戸にも、變なお宗旨があるんですつてね」
、夏の夕空を仰ぎました。遠浪のやうに打寄せる江戸の街の騷音の上を渡つて、澄みきつた増上寺の鐘の音が
増上寺
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を掛けたのは丁度子刻(十二時)でした。増上寺の九つの鐘が鳴り始めると巳之吉は驚いて自分の部屋へ行つたやう
「おや、増上寺の暮六つの鐘が鳴りますね」
打寄せる江戸の街の騷音の上を渡つて、澄みきつた増上寺の鐘の音が、ボーンと靜かに寂しい餘韻を引いて唸るのでした
「あの内儀のお紋が、増上寺のことばかり言つて居たが――」
日本橋
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溜池の坂田屋といふのは曾ては日本橋の油問屋で、華やかな大町人の一人でしたが、主人の敬三郎が三
はないだらうとも、朝までゆつくり休むが宜い。これが昔日本橋で繁昌して居た頃の坂田屋なら、二千兩や三千兩の金に
平次は、八五郎を二度三度と走らせて、日本橋から赤坂へ、いろ/\の情報を掻き集めました。それに依ると、
に凝つてしまひ、三年前亡くなつた時は、日本橋の店も人手に渡り、その上の大變な借金で、赤坂田町の
神田
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平次は何んの思ひ入れもなく、神田の方へ道を急ぐのです。