湯島 江戸

の料理屋へ、妹は堅氣がいゝと言ふんで、湯島の山名屋五左衞門樣へ――」

ガラツ八とお篠が、湯島の山名屋へ行つたのはその晩の戌刻過ぎでした。途中で一

平次は恐れ入るガラツ八をつれて、もう一度湯島へ行つて見ました。

、お篠さんが歸るとすぐ、その二百兩を持つて湯島の山名屋へ行き、案内知つた木戸を開けて、いきなり離屋の戸を

それから湯島へ引返す道々、

「八五郎親分は、江戸にたつた一人ぢやありませんか」

「江戸の眞ん中ですもの」

「江戸の眞ん中だからな」