伊勢 江戸 金杉 増上寺 小日向 目黒

八を、用心棒に頼んであるが、生憎親の用で伊勢まで行つてしまつたから、その留守中だけお願ひし度い――と

角力の大關だつた相ですよ。親の言ひ付けで、伊勢まで行つたが思ひの外用事が早く片付いて、すぐ江戸へ戻るといふ便りが、

小夜菊の用心棒にしてやりたかつたのだよ。伊勢へ行つて來るにしては少し早過ぎたと思つたが――」

で、伊勢まで行つたが思ひの外用事が早く片付いて、すぐ江戸へ戻るといふ便りが、昨日ありました」

下女のお咲に言はせると、あんな醜男は、廣い江戸に二人とはあるまいといふことで」

その頃の江戸の町は、宵からはもう、若い女一人では歩けなかつたのです

「江戸を空けたかつたのさ、そしてお前を小夜菊の用心棒にしてやり

浪人石澤金之助は、金杉の裏店に住んで居りました。平次と八五郎が訪ねて行くと、これ

「お咲が歸つたのは、増上寺の鐘が四つを打つたのと一緒でした、あれから順八さんを

、たうとう泊つてしまつたよ、先の名は、小日向の荻野淡路守御家來、磯中三五郎殿、行つて訊ねて見るが宜い」

「註文の草鞋が忙がしかつた相で。あの人は目黒在の百姓の子ですが、昔はなか／＼の良い男で、若い

「お前はこれから直ぐ、目黒在の順八の家へ行つて見ろ、先月お前が代りに檜物町の用心棒

八五郎が目黒の在から、明神下の平次の家へ戻つて來たのは、その

「その通りですよ、親分。目黒在の順八の親の家へ行つて聽くと、先月の末十

「まさか、お前が目黒まで調べに行くとは思はなかつたことだらう、これだから、調べ事は

――芝口の仕事場を見せて貰つて、八五郎を目黒在のお前の家へやつた――とね。順八の顏色はサツ