銭形平次捕物控 109 二人浜路 / 野村胡堂
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「あの婆やは石見銀山で毒害されたんだよ。婆やが寝酒を呑むことを知っている人間
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小日向に屋敷を持っている、千五百石取の大旗本大坪石見、非役で内福で
夫婦に預けられて、三つになるまで育ち、それから小日向の大坪家へ帰されたのですが、お関に言わせると、午吉
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か思い付くことがあるかも知れないが、その頃私は甲府の御勤番でな」
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いるんだ。息を吹き返す道理はない。婆やの倅が品川にいるはずだから、大急ぎで人をやったが、まだ来ないよ」
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た。草加の百姓午吉の子ということで育ち、浅草に引っ越して、もう十年にもなります」
事とは知らず、午吉夫婦の娘のつもりで、浅草で小さい荒物屋の店を出している偽の両親のところで育ちましたが
ありません。今ではどこへ行く当てもない私、浅草の荒物屋へ帰ったところで、明日の暮しの工夫もつかない私ですもの
「お関の親父の午吉は、浅草で荒物屋をしているようだ。町所を訊いて、捜し出してくれない
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「関といいました。草加の百姓午吉の子ということで育ち、浅草に引っ越して、もう十
「もう少し詳しく話してくれ。その草加で育ったお前が、どうしてこの大坪様の子だと名乗ったん
奥方は、娘浜路を産んで間もなく亡くなり、嬰児は草加の百姓午吉夫婦に預けられて、三つになるまで育ち、それから
ます。十九年前この屋敷の奥方が亡くなって嬰児浜路を草加へ里子に出したのも事実、その浜路が十九になって、婿選み
「親分、こいつは驚くぜ。荒物屋の午吉――草加から出て来て、安賭場を泳いでいる男が、土左衛門になって
になりそうだが、実はそう容易く行く芸当じゃない。草加の百姓へお嬢さんを里に出して、立派なお旗本が三年も
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「殿様、さぞ御心配なことで。――私は神田の平次でございます」
「御苦労だな。――近ごろ神田の平次というと大層な評判だから、右内がとやかく言うのを、私
そんな事を言いながら、二人は妙に物足りない心持で神田へ急ぐのでした。