銭形平次捕物控 083 鉄砲汁 / 野村胡堂
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たまにはお酒ぐらいはありますよ。――ツイ先刻、八丁堀の旦那から、心祝いがあるからと、わざわざ一升届けて下さいましたよ」
うちに、お静の話を聞いてしまったよ、――八丁堀の旦那が、心祝いに酒を下すったなんて、そいつは大嘘だ。俺はつい
下すったなんて、そいつは大嘘だ。俺はつい先刻まで、八丁堀に居たんだから、お酒を下さるなら、そんなお話の出ないわけ
。これを見るがいい、樽は町内の酒屋のだ。八丁堀から届いたのでない証拠は、この※定の印で判るだろう」
昼頃には八丁堀の与力笹野新三郎も来ました。江戸中の顔の良い御用聞も、
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その晩の戌刻半(九時)頃、この一行は回向院の寺内に入り、そこでお通夜が営まれたのです。
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「箱根じゃ穴のあいたのを用立てたが、今日のはピカリと来ますぜ。
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て行くのだ。長崎ではお役人の目がやかましいから、九州の沖で日本の船に積換え、米や炭の荷に交ぜて、公方様
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「馬鹿野郎、二朱や一分で江戸の地所が買えると思っているのか」
「馬鹿な野郎だ。八両や十両で、江戸の真ん中に家が建つ気でいやがる」
「いや、そういうわけじゃない、第一あんな激しい毒薬は、江戸中の生薬屋を捜したってない、――南蛮物なら知らないが――」
「江戸には親類もないんだね」
に交ぜて、公方様お膝元へ持って来るに違いない。江戸へは諸国の荷が集まるからかえってわからない道理だ、――現にお前の夫
大晦日の江戸の街は、一瞬転ごとに、幾百人かずつ最後の足掻きの坩堝の
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って遠い身寄りは音信不通で、付合っちゃくれません。もっとも長崎には亭主の弟がいますが、お葬式に間に合うわけはなし」
持込んで、この国の大判小判と換えて行くのだ。長崎ではお役人の目がやかましいから、九州の沖で日本の船に積換え、
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「浜町の吉三郎、――遊び人で」
「手前、浜町まで顔を剃りに行くのかい」
「どうせ浜町河岸で拾った品だから、脇差へおまけにつけましたよ」
「浜町で拾った?」
一と月ばかり前、夜釣に行った帰り、白々明けの浜町河岸に船を着けたことがありました。そのとき自分の船より一
十両に纏めた金を握って、浜町の吉三郎のところへ駆けて行ったはずの八五郎が、半刻(一時間
二人はそのまま、浜町の吉三郎の家へ飛んだことは言うまでもありません。
時)過ぎ、永代のあたりから漕ぎ上がった伝馬が一艘、浜町河岸に来ると、船頭が舳の灯を外して、十文字に二度
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その晩神田の平次の家は焼けたのです。