松永町 八丁堀 江戸 四谷 鎌倉町 神田 日本橋 上野

でも宜いが。――すると、濱町の大黒屋と、松永町の小熊屋に火を放けたのが解らなくなる」

「その前、松永町の小熊屋が燒けた晩も、濱町の大黒屋の燒けた晩も、稽古所へ

鎌倉町から濱町や松永町まで行つて、適當な作業をするにしても四半刻も有れば充分

て、放火は仲吉に決つたから、繩張り違ひだが、八丁堀の旦那方のお差圖で擧げて行く。錢形の親分に宜しく、と斯う

「これは八丁堀の旦那方にもお目にかけなければなるまいが、宜いだらうな。

江戸の火事の恐ろしさは、明暦、天明の大火を引合ひに出す迄もあり

はあつたにしても、マツチ箱を竝べたやうな江戸の町家――無分別にも建混み過ぎた木造家屋は、殆んど無抵抗に、無

從つて、過ち火、放け火に對する、江戸の法律の苛酷さは想像以上でした。かりそめにも火を放けたものは

たのは、この物騷千萬な放火魔を擧げて、江戸の町人達の枕を高くさせる爲ですから、ケチな物盜りや、

か、後で捕まれば、間違ひもなく、日本橋、兩國、四谷御門外、赤坂御門外、昌平橋外を引廻しの上、以上五ヶ所へ

十八日、――正確に言へば十九日の曉方、鎌倉町の三村屋が丸燒け、その上小僧が一人燒け死んで、女房のお久は

太七は鎌倉町屈指の家持ですから、親の名を言ふのが順當だつたのでせ

鎌倉町から濱町や松永町まで行つて、適當な作業をするにしても四半刻

今年になつてから、ほんの半月ばかりの間に、神田中だけでも三ヶ所の放け火があつた――最初の一つは、

お町はうなづいた樣子でした。神田の惡戯者が娘番附を拵へて、東の關脇に据ゑ

「仲吉は神田中で知らない者のないほどの火事氣違ひですよ。親分さん」

、現場を見つかるか、後で捕まれば、間違ひもなく、日本橋、兩國、四谷御門外、赤坂御門外、昌平橋外を引廻しの上

丁度子刻（十二時）、上野の鐘がかすかに餘韻を引いて鳴り止むと、何處からともなく、ユラリ