本所 相生町 江戸 千住

「本所へ流れて來たのか」

先刻向柳原のあつしの家へ飛んで來て、相手は相生町の阿波屋だから、雪隱へ槍を突つ込まれて、ひどい怪我をし

が、涙を浮べて頼んで行きましたよ。――相生町の阿波屋といふのは、御入府以來から竪川通りの大名主で、今で

て、柳原土手の白い蝶々を追ひ乍ら、兩國を渡つて相生町にかゝつたことは言ふまでもありません。

相生町の物置は藁の一と山を積んでゐるのは不思議なやうですが、

に逢ひ、仇つぽい新造のお淺に送られて、相生町の通り、川岸つぷちを囘向院の方へたどりました。

へエツ、その大變が又やつて來ましたよ。相生町の阿波屋の元の内儀、あの阿彌陀樣のやうだと言はれてゐるお島

「業腹ぢやありませんか、相生町は石原の利助親分の息のかゝつたところで、錢形の親分だつて

へ泊つた筈のお島さんが、宵のうちに、相生町へ引つ返して居ますよ」

言ひ張つて居ますが、困つたことに、松井町から相生町は、女の足でもそんなに遠いところではなし、それに――」

もたゝないうちに、又松井町に戻つた相です。相生町の家の門は嚴重に締つて居るし、もう寢鎭まつて居るのを

曉方近い丑刻半（三時）過ぎになつて、相生町の阿波屋では、今度は自火を出して、一瞬のうちに、母屋全部を

相生町の阿波屋の燒跡へ行つて見ると、まだブス／＼燻つて居りますが

父親の心持を知つて、心配でたまらないから松井町から相生町に戻つて見たが、締りが嚴重で入れなかつた。――昨夜も

「何、此方のことで、――良い陽氣で、江戸の町は一ぺんに花が咲いたやうですよ、少し外へ出て見

「千住で」