銭形平次捕物控 169 櫛の文字 / 野村胡堂
地名一覧
江戸
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で、そのくせ性根の確りしたところのある、典型的な江戸の若女房型と言つても宜いでせう。
初夏の江戸の町は爽やかに晴れて、本郷臺の若葉は滴りさうです。
谷中
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谷中の養仙寺前の竹原屋といふのは、相當大きくやつて居る茶屋ですが
上野
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「へエ、――淺草ぢやなくて、上野か、芝か」
駒込
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平次も八五郎もそれはよく知つて居ります。駒込切つての大地主で、山の手一圓に知られた豪家です。
神田
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「さうか、俺は神田の平次だ。大した手間は取らせない、ちよいと顏を貸してくれ」
は長押もなく、荒々しい木造りと、不調和な家具調度が、神田から來た平次を、妙に寒々とした感じにさせます。
「俺は神田の平次だが、子供が死んださうではないか」
圍まれた大百姓の大地主の家は、ゴミゴミした神田に住んで居る平次に取つて、何も彼も心地よく珍らしくもありさう
は、繩付の音吉を番屋に預けて、ブラリブラリと神田へ歸る道でした。