湯島 外神田 相生町 薩摩 佐久間町 日本橋

平次は興に乘る八五郎を促して、それから湯島へ、――馬場要とお米の樣子を見ようとしたのです。

―此處には何にも搜すことは無い。手前は湯島へ行つて、昨夜、馬場要と内儀のお米が、何處に居て何

平次はもう一度油屋へ引返すと、丁度、ガラツ八が湯島から歸つて、平次の後を追つて此處へ來たところでした。

外神田の三分の一も持つて居るだらうと言はれた河内屋又兵衞、

、何時もの事ですから氣にも止めずに居ると、相生町から迎ひの者が來て連れて行つたといふことで御座いました」

中を開けて見ると、粉煙草が少々、薩摩や國府でもあることか、これは刻の荒い、色の黒い、少し馬糞

大身代は、叔母のお米か、お米の妹で佐久間町の丁子屋茂三郎に貰はれて居る、お富に繼がせる外は無かつたの

平次は顏もろくに洗はずに、佐久間町の丁子屋まで飛びました。

ありません。主人の又兵衞も、お米も、佐久間町の丁子屋の急變を聽いて飛んで行つた跡に、馬場要は一人

「本當は、この家を日本橋の叔父のところに居る弟に讓つて、私はお富と一緒に