江戸 下谷 深川 向島 日本橋 神田 小名木川

「業平の房吉は、あの日は成田樣へ行つて江戸に居ませんよ。町内の多勢の仲間と一緒ですから、疑ひやうはあり

の取立てで日本橋まで出かけ、番頭の徳松は主人の代理で下谷へ、その徳松の伜の徳三郎は親父に言ひつけられて、深川の知り合ひに

に行つたと言ふし、番頭の徳松は主人の代理に下谷へ行つて御馳走になつて遲く歸つたし、徳松の伜の徳三郎は

刻（四時）頃家を出て、酉刻前に下谷の家へ着き、散々御馳走になつて亥刻（十時）近く歸つた

へ、その徳松の伜の徳三郎は親父に言ひつけられて、深川の知り合ひに行つて居ります」

になつて遲く歸つたし、徳松の伜の徳三郎は深川に行つたことになつて居る。他に業平の房吉と、權右衞門

徳松の伜徳三郎は、晝のうちから家を出て、深川でお詣りをして、二三軒呑み歩いたといふが、確かなこと

「昨日向島で散々毛虫を眺めて」

庭の仙吉の野郎が言ふから、橋場の渡しを越えて向島を眞つ直ぐに、枕橋を渡ると、いきなりつれ込んだのは、中

居ます。弟の新之助は、五六軒の貸金の取立てで日本橋まで出かけ、番頭の徳松は主人の代理で下谷へ、その徳松の伜の

動きを念入りに調べて貰ひ度い、義弟の新之助は日本橋へ貸金の取立てに行つたと言ふし、番頭の徳松は主人の代理に

の新之助は、午刻半（一時）頃家を出て、日本橋で四軒廻り、四軒目は晩飯を御馳走になつて、少し醉つて、酉

「神田の平次と八五郎だが」

者なんかありやしません。若しあつたとしたら、小名木川の鱚位のもので」