日光山 両国 亀戸

兵衛と言われた。なんでも一年ばかり前に、日光山御造営のことで間違いがあったとかで、行方不明になったはずだが

灯籠の下に父親が、なんか埋めたに違いない。日光山御造営のことで、江島屋取潰しのうわさのあったころだから何千両という

「一年前の日光山御造営の間違いは、半三郎のこしらえ事だったのさ、あとで七兵衛の無実

。天道様に照らされても、とたんに木の葉にもならず、両国で一杯飲んだのが崩し始めで、柳原の土手を酒屋と小料理屋を一軒一軒飲み

「なるほどそれで両国から明神下までハシゴ酒をやったのか、あきれた野郎だ」

相変わらず、アゴをなでる八五郎です。両国の橋の上、夜の水を渡って、筑波おろしが頬をなでます。

父親の七兵衛が好きだった、亀戸の天神様の近く、亀戸町のたんぼの寮に一人でさびしく暮らしている、――というが、

花町の江島屋を出て、父親の七兵衛が好きだった、亀戸の天神様の近く、亀戸町のたんぼの寮に一人でさびしく暮らしている

「ところで、この間亀戸の天神様へ初もうでに行ったとき、――今年の恵方は東の方

平次は八五郎に案内させて、亀戸まで飛びました。

亀戸へ着いたのはもう夕方、薄暗くなりかけた江島屋の寮の裏、畠