銭形平次捕物控 213 一と目千両 / 野村胡堂

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地名一覧

奥州

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「奥州の馬鹿息子が、お盆の蓮の葉を売って儲けた金を千両

江戸

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「昔々江戸にあったとか言いますね。たった一目見るのに千両積ませるという

尤もその頃の江戸には、今の裸レヴィユなどは足もとにも追い付かぬ猥雑な見世物があり、

から三日、松が取れて屠蘇の酔いもさめて、江戸の街もようやく日頃の落着きを取戻しましたが、御用の方は一向に

両国

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「親分、東両国にたいそうな小屋が建ちましたね。あッしは人に誘われて二三度覗きました

「馬鹿だなア、まだ松も取れないうちから、両国の見世物小屋へ日参して居るのか」

五郎の説明は存分にトボケて居りますが、こんなのが東両国の盛り場で、第一等の人気を博するほど、世界は呑気で馬鹿馬鹿しくて、人

二人は東両国まで、あまり無駄も言わずに急ぎました。薄陽の漏れる正月のある日、巳刻

吉原の人気をさらうことも出来るでしょう。何を好んで両国の見世物小屋に身を落し、何千何万の人に顔をさらすのかと一応ふしぎに思

このお鈴という娘は両国では決して新しい顔ではありませんが、身体も心持も女になりきってからは

さを覚ったのでしょう。が、それから十日ばかり、東西両国は、小正月でもういちど賑いを取戻したある日の夕方でした。

「両国ですよ、親分。小左衛門の小屋だ」

奥行が思いのほかに深いことを知ると、八五郎を促して両国へ飛びました。もう街は薄暗くなりかけて、あちこちに灯が入っております

たが、歌と踊に精進して、その可愛らしさとともに、東両国の名物になりました。