駿府 川崎 箱根 伊豆 深川 銀座 品川

ことだからと、筮竹と天眼鏡を荷厄介にしながら、駿府まで伸して見たのだったが、これが少しも商売にならず。漸く

品川を振り出しに、川崎、保土ヶ谷、大磯、箱根。あれから伊豆を一廻りして、沼津へ出た

ないために、扇屋から根引した新妻のお菊と、箱根の湯治場廻りに出かける腹を極めていたにも拘らず、二日が

品川を振り出しに、川崎、保土ヶ谷、大磯、箱根。あれから伊豆を一廻りして、沼津へ出たのが師走の三日

品川を振り出しに、川崎、保土ヶ谷、大磯、箱根。あれから伊豆を一廻りして、沼津へ出たのが師走の三日。どうせこゝまで

「深川とかいいなんした」

「なに、深川。そいつア呆れた。――仕方がねえ。そんな遠方から来たんじゃ

「はい、左様でございます。わたくしは、深川仲町裏に住んで居りまする、馬琴と申します若輩でございますが、少々

深川仲町の、六畳一間の棟割長屋に、雪解に汚れた足を洗って

、井戸水の一つも汲んでやるんだ。そうすりゃア深川あたりに、独りで暮していてもつまるめえ。なんなら遠慮なしに、

京伝の胸に浮ぶのは、はじめて父母と共に、この銀座二丁目に移った、その翌年の正月の出来事に外ならなかった。

「おめえさんに、もう二度と再び、銀座へは来て貰いたくねえと、その断りに来やしたのさ」

品川を振り出しに、川崎、保土ヶ谷、大磯、箱根。あれから伊豆を一廻りし