浅草 東京

て、当もなく歩いている中、知らず知らずに浅草公園に出ているのであった。

「どうだい、素晴らしいだろう――これがあの浅草の小川鳥子なんだぜ。やっと承知させて裸のやつを今日撮っ

友だちっていうものは懐しいね、全く久しぶりだからなあ、あの浅草で逢ったなんて、実に偶然なチャンスだ」

ふ、ふ、もう顔色が変ってきたな。僕は浅草で逢った時から君の『甲種合格』の体に惚れていたん

田舎で暮すのがバカバカしくてならず、色々考えた末、東京のタッタ一人の叔父を頼って、家を飛出しては来たものの、

皺を伸してみると、それには（水木舜一郎、東京市杉並区荻窪二ノ四〇〇）と新東京の番地が入って清朝活字で刷られた