酒友列伝 / 山之口貘
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「琉球」とぼくが答えると、
の女給さんが、ホーモーサーってなんのことかときいたり、琉球ってどこなのかときいたりするので、面倒くさくなって来て、ぼくは
と、みんなもまたうたい出したのである。いまでこそ、琉球と云えば、知らない人の方がどうかしているみたいだが、当時
ているみたいだが、当時は、東京の至るところに、琉球を知らない人が多過ぎて、なにかにつけ不便を感じないではい
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、ぼくが両国に住むようになったり、あるいは結婚して牛込のアパートに住むようになったりしても、その誘いをやめず、次の
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本所両国に住むようになってからは、毎晩泡盛を飲んだ。この頃、郷里の大先輩の山
へのおもいやりからばかりではなかったようで、ぼくが両国に住むようになったり、あるいは結婚して牛込のアパートに住むようになっ
になって、一緒にダルマ船に乗っていたが、かれとは、両国、鶴見あたりを飲んで歩いた。一度かれが、泡盛の飲み試しをするというの
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のであった。Sは郷里の中学を中退して、東京のある中学へ通っていたが、酒は一流で、時々ぼくを誘っ
一流の酒飲みになっているのであった。そのころの東京では、カフェーの女給さん達も、枯すすきの歌や、さすらいの歌
の方がどうかしているみたいだが、当時は、東京の至るところに、琉球を知らない人が多過ぎて、なにかにつけ
でもなかったが、それっきり、沖縄へ帰る機会もなく東京で暮すようになってしまった。それ以来は、ぼくには、特に酒友
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ある。かれは、蒲田の小林に住んでいたが、銀座へ出かけたりすると、家にはおふくろさんと妹さんだけなので、
芝のあたりから銀座方面をうろつくようになってから、日影町通りのある珈琲店に入りびたった。
別の頁から、真紅な唇があらわれたのである。銀座のあるキャバレーの女性の唇だと正忠は云ったが、飲むと若返るかれ
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ある日、ぼくに女をおごってくれるというので、渋谷のある待合へ案内された。楢島は江戸ッ子であるが、なにか
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、この飲み屋に、珍らしい人がぼくを訪ねて来た。隅田川のダルマ船の船頭さんである。ぼくは一時、かれの世話になって