野宿 / 山之口貘

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地名一覧

関東

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そこへ、関東の大地震なのであった。波里さんはすっかり絶望してしまって、もう東京にい

早稲田

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上京早々から父との約束はあてが外れてしまって、早稲田の戸塚から本郷の湯島新花町、そして、台町から駒込の片町、それからこの中里

八重山

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に勤めていたのであるが、その退職金を持って八重山に渡り、質屋を開業しながら祖父の面倒を見てやりたいとかねがね口に

ところが、銀行を退職すると、それをききつけて、どうせ八重山へ行くのならついでのことではないかと、こんどは、産業銀行からその

女学校一年の妹と、そして、ぼくと母とが、八重山へ行った。午後の四時頃、那覇の港を出ると、翌日の朝

と、翌日の朝が宮古島で、その翌日の昼過ぎ頃は八重山なのである。八重山には港がなかった。船は沖に碇泊して

宮古島で、その翌日の昼過ぎ頃は八重山なのである。八重山には港がなかった。船は沖に碇泊して、浜の方から石油

神楽坂

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。仕方なしに、ぼくは彼を連れてあてもなく、神楽坂の夜店をぶらつき出した。ふたりが、歩き疲れて、汽車の疲れと折り重なりながら、

富士見町

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かねて、亀重君の兄さんが物理学校在学中であることや、富士見町に下宿しているということを亀重君にきいて知っていた。そこ

あってはと心配なので、一応、彼のことを富士見町へ案内し、彼の兄さんの下宿の所在を見せておきたかったからなの

ぼくは、巡査にきかれるままにそれらしく、住所は、富士見町の亀重君の兄さんのところを答え、ふたりは散歩のつもりなのであった

た時には、すでに電車もなくなっていたので、富士見町まで歩いて帰るのも大変だし旅館を探していたところだと説明し

亀重君がなんと頑張ろうと、なんとかだましだましして、富士見町の兄さんの下宿まで是非彼のことを送り届けねばなるまいと、ぼくは、

江の島

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である。街は、大変な騒ぎなのであった。江の島が海底に沈んでしまったとか、鎌倉が津浪にさらわれてしまったと

中里

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の湯島新花町、そして、台町から駒込の片町、それからこの中里の家に来て、その日その日をぼくはお化けの気配におびえながら、

戸塚

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から父との約束はあてが外れてしまって、早稲田の戸塚から本郷の湯島新花町、そして、台町から駒込の片町、それからこの中里の家

鎌倉

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であった。江の島が海底に沈んでしまったとか、鎌倉が津浪にさらわれてしまったとか、社会主義者は片っ端から警察に引っ張られた

本郷

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との約束はあてが外れてしまって、早稲田の戸塚から本郷の湯島新花町、そして、台町から駒込の片町、それからこの中里の家に来

那覇

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ところが、郷里の那覇に帰ってみると、ぼくの帰りを、悲劇が待っていたので

母とが、八重山へ行った。午後の四時頃、那覇の港を出ると、翌日の朝が宮古島で、その翌日の昼過ぎ頃は

弟と妹は、トランクのなかなど整理したりして、那覇への帰り仕度をしていたのであるが、事情がわかると、

てってもらえないかというのである。亀重君は、那覇の街外れの質屋の次男坊なのであった。彼も、矢張り、詩

家は、すでに人手に渡してしまったのであるし、那覇にある親類という親類のことごとくが、父の債鬼でないものはなかっ

までは出て来ることが出来たのである。しかし、那覇の家は、すでに人手に渡してしまったのであるし、那覇にある

も、逆戻りしてはなるまいと決心して、どうやら那覇までは出て来ることが出来たのである。しかし、那覇の家は

鹿児島

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いかなかったが、それでも、ふたりは船に乗って鹿児島までは出ることが出来たのである。ぼくらは、港近くに、

駒込

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て、その間をぼくはあてもなく街をさまよい、駒込の橋の上で波里さんの帰りを待ち合わせて、いっしょに帰ってくること

て、早稲田の戸塚から本郷の湯島新花町、そして、台町から駒込の片町、それからこの中里の家に来て、その日その日をぼく

、三脚椅子を肩に、ズックの鞄をぶら提げて、駒込中里のお化けの家を出たのである。街は、大変な騒ぎな

「駒込からです」

は、「右ノ者社会主義者ニアラザルコトヲ証明ス」とあって、駒込警察署の角印まであざやかなのであった。

東京

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であった。波里さんはすっかり絶望してしまって、もう東京にいても仕方がないから郷里へ帰るんだと云い出したので

引っ張られたとか、または荒川方面から朝鮮人の大群が東京をめざして攻めて来つつあるとか、井戸という井戸には、毒

ぼくのことを父の借金の身替りにして取って、東京へでも留学をさせて未来の大芸術家にでもするというの

、彼は、家出を試みたくなったらしく、ぼくが、東京まで案内して呉れるならば、旅費を負担したいとぼくに申し出たの

が現われて、殊勝な相談をぼくに持ちかけて来た。東京まで連れてってもらえないかというのである。亀重君は、那覇の

坊ちゃんのことを、しかも、彼にとっては初めての東京を、土管のなかに泊めてしまったことを、ぼくは、こころから気の毒

がさかんにはためいているのであろうが、土管のなかの東京は、すでに涼しすぎるくらいなのだ。しかし、疲れ切ったのであろう。

神田

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かで、九段の坂上のところまで出て見た。神田一帯が焼野原になってしまって、あちらこちらには、焦げた金庫が残り

目白

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、そこには門が立っていた。こんなところに、目白の女子大学はあったのかと、ぼくはそうおもいながら、

「あれが、目白の女子大学なんだ」と云って、亀重君に指差して見せたので