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二月のはじめ頃であった。前年の秋、東京や箱根へ遊び、一月には、白浜や龍神を訪ねたのだが、その時

よかったのに、恋愛の破局と共に、私は、九州の果てへ旅立ったのであった。二月のはじめ頃であった。前年

した。しかし、広島で女学校の先生に説教され、九州をあちこち放浪するうちに、都会へ舞い戻りたい衝動にかられ、見事に、又

に、ＶＩＫＩＮＧの例会に出席した。阪急にのって、高槻の御寺までゆく間、一言も喋らなかったようである。車中、彼は

終電車で、私は神戸へ帰った。岸本通夫氏が、送って来てくれた。殆ど喋らなかっ

である。丁度、五月頃書いた戯曲がきっかけで、神戸に演劇研究所なるものが誕生し、私は別に、大した興味もなかった

月、私は生まれてはじめて、原稿料五百円をもらった。神戸新聞のコントである。大きな顔をして、家族へ菓子を買って帰っ

田舎の小学校の先生にでもなろうとした。しかし、広島で女学校の先生に説教され、九州をあちこち放浪するうちに、都会へ

ようだ）はい、と云って帰宅し、清書して、東京へおくり、あかんと云われてかえされたのが二月末。それ

た。二月のはじめ頃であった。前年の秋、東京や箱根へ遊び、一月には、白浜や龍神を訪ねたのだが

井上靖氏が、ぜひよみたいと云われたので、東京へ送った。彼は、すぐれた作品だと、文学界へ推薦してくださっ