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彼女は学期の終りに、辞職の挨拶をして九州へかえって行った。

母の意志で、私は大阪にある音楽学校へゆかされるようになった。もう後五カ月で卒業だ

作曲法や理論の時間だけ顔を出し、他の日は毎日大阪で映画をみてかえった。朝家を出て、かの未亡人のところで一日遊ん

、三日目には帰ると云い出し、母と二人で神戸へ戻って来た。母はその翌々日に島へむかった。私は久しぶり

私は、ぜひ神戸に居てほしいとは懇願しかねた。彼女はやはり肉親の許へ帰る

てしまうようにもなったのではあったが、度々神戸も空襲され、すぐ近所まで焼け跡になり、死傷者が続出すると、

空襲がひどくなり、父母や姉や弟達は、すっかり神戸へ引揚げて来た。何故なら、誰か一人家族が死ぬようなことに

にやっとたどりついた。母と私はトラックにのって夕刻又神戸へ引かえした。焼土はまだくすぼっていた。父は執事や

であった。ソ聯が反対側に加わり、原子爆弾が広島と長崎に落ち、そして敗戦の日が来た。十四日の晩に父は家族

ない有様であった。ソ聯が反対側に加わり、原子爆弾が広島と長崎に落ち、そして敗戦の日が来た。十四日の晩に父

ほんものになって来た。私は一日学校をさぼって京都の寺院を訪ねたりすることもした。家には内緒で欠席届を

学校中、欠課や欠席をして、映画をみたり、京都や奈良を散策したことはやはり不真面目。それに、私は喫煙するよう

、欠課や欠席をして、映画をみたり、京都や奈良を散策したことはやはり不真面目。それに、私は喫煙するようになっ

「東京の御土産にパパに買って来て頂きましょう」母は優しい声で云った

折かぞえて待った。父は一カ月に一度位、東京へ出張した。そして必ずお土産に兄弟に一冊ずつ本を買って来

やっと確かに約束をさせて、丁度、一週間後に東京へ出張した父の帰りを指折かぞえて待った。父は一カ月

御祝いに、お友達を呼ぶことになった。その頃、東京から転校して来たアイノコが組にいたが、私は彼女がとても

、うすいウールや毛糸が出はじめる頃、突然、大岡少年は東京の支店へ転勤させられることになった。別に取立てて理由はなく

「銀座の柳の下で……」