江の島 大阪 本郷 建長寺 八幡宮 鎌倉 新潟 駒込 千住

、それだけで三時間位はかゝるだらうと思ふから、江の島へ※つては餘程急いでも夕方になるでせうと思ひますから、さう

さうだな。おさんは不憫だとかいふやうな文句を大阪の文樂座できいて何うにも涙が出て仕方がなかつたことが

を借りて乘つて來たやうな譯なんだが、本郷の下宿へ歸つたのは多分十一時過ぎになつてゐたらうと思ふ。する

、路地を曲つたところ、惡いことは出來ないもので、建長寺にをつた時分、酒を續けてゐてくれた内田屋の御大に會ひ

驛の一寸顏馴染の車屋さんの俥に乘つて建長寺の方へ出掛けたんだ。久し振りで八幡さまの横を通り、あの小袋坂

鎌倉驛を下りて、僕は僕の名刺の裏に、八幡宮、大塔宮、引返して驛前から電車で大佛、觀音、それだけで三

ゐる椎の若葉の趣を、ありがたくしみじみと眺めやつた。鎌倉行き、賣る、賣り物――三題話し見たやうなこの頃の生活ぶりの

十二日に鎌倉へ行つて來ました。十三日は父の命日、來月の十三日は三

十三日は父の命日、來月の十三日は三周忌、鎌倉行きのことが新聞に出たのは十三日なのです。十二日の晩

たのかと思つて電話に出て見ると、僕が鎌倉のおせいの家で散々亂暴を働き、仲裁に入つた男の※丸を

呉れたことは非常にありがたく思ふ。何年か前、やはり鎌倉で、僕の總領の失策から、新聞に書かれたことがあつて弱つた

たことがあつて弱つたことがあるが、あの時の鎌倉の署長さんは、たしか吉田さんと云つたと思ふが、僕としては

、もうあと半月そこ／＼で卒業になる場合だから、鎌倉へ置いて惡いと云ふならば、あしたにも郷里へ歸す、何んな責任

視察にお出でになられたんださうで、それで鎌倉見物のことを車中で相談をかけられ、鎌倉驛を下りて、僕は僕

んである。久し振りで、本當に震災後初めて十ヶ月振りで鎌倉の驛を見、あの松、あの將軍道の櫻並木を見て、實に

の胸に安らかさと力を與へてくれるものはない。鎌倉行き、賣る、賣り物、三題話のやうな各々の生活――土地を

そんなことで復りの切符もなくしたんだ。が、たしか新潟縣の方の小學校の先生だつたと思ふ。あちらさんも洋服を着

せいの一族との中に這入つてくれてる中村氏を駒込に夜遲く訪ねたのだが、奧さんだけにお目にかゝり、

た氣持で、自分は寺の妙高院に案内され、千住老僧のお寫眞を拜み、をばさんともお會ひして、何

大體おせいの親父招壽軒淺見安太郎さんは、渡邊さんの千住老僧があの老年で、あの震災當時をばさんと一緒に潰され、幸に