鎌倉 牛込 弘前市 落合 青森 東京 上野

残して行った。永年の持病の脚気が死因だった。鎌倉へも二度来た。二度目はこの三月で、私の部屋借りの

私たちより一足さきに出かけた。私たちは時間に俥で牛込の家を出た。暑い日であった。メリンスの風呂敷包みの骨壺入りの

私の妻の実家、これだけへ来る十八日正二時弘前市の菩提寺で簡単な焼香式を営む旨を書き送った。

朝落合の火葬場から持ってきたばかしの遺骨の前で、姉夫婦、弟夫婦、

、私たちの気持もだんだん引緊ってきた。一昨日は落合の火葬場の帰り、戸山ヶ原で私は打倒れそうになったが、今朝は気分も

青森へは七時に着いた。やはりいい天気であった。汽船との連絡

冗談など言い合ったりしていたが、やがて時間が来て青森を発車すると同時に、私たちの気持もだんだん引緊ってきた。一昨

―これだけの人数で、さびしい最後の通夜をした。東京には親戚といって一軒もなし、また私の知人といっても

ことがわかるものかもしれないな。それにしても東京へ出てきて死んでくれてよかった。田舎にいられたんだ

十七日午後一時上野発の本線廻りの急行で、私と弟だけで送って行くことになっ