長屋天一坊 / 山本周五郎
地名一覧
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一系と信ぜられるところの皇室におかせられ奉っても、越前のどこかに皇孫あり、これを迎えて継体天皇とす、などという押っ付け
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こう名乗りをあげて、堂々と三葵の紋章をひけらかして、江戸へのりこんで来たということは、これはもうそれだけでたいした度胸である
、故郷において二三の職業に失敗、三十一歳のおり江戸へ出て繩屋を開業した。以来約二十年、夫婦娘、三者一体
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吾助は下野の佐野という土地の産であって、故郷において二三の職業に失敗
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掛ってて働かせるだろう、なにしろ千住の先から西は品川目黒のはてまで車を曳いて駆けまわらなけりゃあならねえ、それで餌はおめえ子供
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が掛ってて働かせるだろう、なにしろ千住の先から西は品川目黒のはてまで車を曳いて駆けまわらなけりゃあならねえ、それで餌はおめえ
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、昼間は禿とごうつくが掛ってて働かせるだろう、なにしろ千住の先から西は品川目黒のはてまで車を曳いて駆けまわらなけりゃあならねえ
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を見た、「あのう、それ、あれよ、……神田の柳原の土堤に、うす馬鹿の乞食がいたもんだろう」
これがかの、神田柳原堤の、うす馬鹿なる乞食だというものであろう。年は十九か
これに対して当のうす馬鹿であり、神田柳原堤の乞食であったところの、この若者は、眼尻をだらりと下げ
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兼ねていたように、「今日あっしと金太で客を浜町まで送っていったんで、こう降っちゃあやりきれねえ、稼ぎより躯の
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、帰るつもりで河岸っぷちをやって来ますとね、両国橋のまん中にこの人が立ってるんで」
「橋のまん中、……両国橋の」