博多 江戸 丹後 大手門

朝食のまえに、隼人は博多の男帯二本で股当てを作った。綱で躯を縛るだけでは、

朝田隼人が江戸から帰るとすぐに、小池帯刀が訪ねて来た。

「おれは江戸で兄から手紙をもらったが、その日付は六月十二日になってい

兄の織部の死は江戸で聞いた。兄は勘定奉行を勤めていたが、部下の西沢半四郎と

改易追放をまぬかれなかったであろう。以上のことを隼人は江戸で知った。そして織部の遺児、小一郎のうしろみをするようにと、帰国

自分の後任に推し、柳生家で免許を取るように、江戸へゆく段取をつけたのは、腕の修業よりも、性格の陶冶が目的

こんど江戸へいっているあいだに、その部落のことを思いだした。帰国したらぜひいち

三月十七日に、江戸から隼人への返書があった。彼はそれを読むとすぐに、教頭の

その翌日、隼人は登城して家老に会い、江戸から使者があったこと、彼に木戸の番頭を命ずるという沙汰であること

に乱暴者で、人と喧嘩が絶えなかった。隼人が江戸へゆくちょっとまえに、道場で二人を相手に喧嘩をし、一人の腕を

「おれが江戸で受取った兄の手紙だ」と隼人は云った、「日付は十二日、

帯刀の眼は感嘆の色を湛えた。江戸から帰って以来、隼人は顔つきから人を見る眼色まで変った。暴れ者で一徹

、その手紙を読めばわかる」と隼人は云った、「江戸で兄から貰った手紙だ、読んでくれ」

が罷免されたり罰せられたりした。三年のち、丹後が軽い卒中で倒れたのを機会に、事があらわれて丹後は隠居、処罰

が軽い卒中で倒れたのを機会に、事があらわれて丹後は隠居、処罰された人々は無実の罪であることが明白になって

午後三時まで教え、午後五時に退出する。道場は大手門の外にあり、北屋敷にある朝田家とは約十町しかはなれてい