陽気な客 / 山本周五郎
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――その社は元町通りと栄町の電車通りとをつなぐ狭い横丁の喫茶店の二階にあった。もちろん古い木造
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――兵庫の「安楽」という小さな酒場を逐い出されたのが最後だった。午前
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彼はおれをいちどは福原の妓楼へも伴れていったくらいなんだ。そして彼は幾らか肥えた
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されたと云えば云えなくもないんだ。それで須磨の大村さんの家へころげこんで、ちょうど大村さんはオレゴンの支店長になってアメリカ
――おれは須磨の家から毎日その社へ通勤したさ。おまえなんぞは信じないだろうが、
吹く。おれが厄介になっていた大村さんの家は須磨の離宮山の下で、南向きの日当りのいい環境だから暖かいが、市内
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というようなそんな問題じゃないんだ。……それで神戸夜話社という怪しげな雑誌社へはいった。怪しげというか、
部長をしたこともあり、そのときもじっさいの席は神戸なにがし日報の某部長だったそうだ。なにかしらちょび髭社長とひっかかりがあっ
うすっぺらな雑誌が並んでいるのをみつけた。それが「神戸夜話」でないことは慥かだし、背中に印刷してある活字がどこ
することができやしない。そうじゃないか、……神戸夜話という誌名そのものでわかってる話さ。親は子に隠し、子
――神戸という土地は摩耶山おろしとかいって冬のはじめから凛寒な風が
……今朝あれから電報があって、今夜の九時に神戸へ着くといって来たんだよ」
そうなんだ、ぼくたちが飲んでいたじぶんあれは神戸へ着いたんだ……誰も迎えに出ていやしない、
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――おれがあのとき東京を逃げだしたわけは云いたくないね。理由を云えばそこにはいろいろ複雑
「ふん、君も東京の落人か、ふん」
、とにかくただものでない顔なんだ。……君も東京の落人か、ふん。こう云ってにやっと笑ったんだったが、その
「きみはこれを機会に東京へ帰ってくれたまえ、そして、しっかりやってくれたまえ」
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まわったのであるが、現在、彼女は元の土地の浅草で、ある格式の高い待合茶屋の女中がしらをしながら、彼の呼びよせるの
たものらしい。……その頃に細君とは別れて、浅草のなに太郎とかいう名妓に恋され、その名妓は彼のために
のことを知った。仲井天青はジャーナリズムから消えて以来、浅草のなにがし座で文芸部長をやったり、他の劇団のレパートリイ顧問になっ