青べか日記 ――吾が生活 し・さ / 山本周五郎
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「裸婦」書いている、今日は幾分苦しかった、房総の旅は失敗だったかもしれない。三回十枚書いた。余り香しく
或いは昨日と今日の分を裂くが宜いかもしれない。房総の旅は失敗であった。今日は珍しく高梨が訪ねて来た。「江戸川
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屋旅館に。二五八五年も同じく神戸に、而して二五八六年は鳥取市に、二五八七年は品川のを宅に、今二五八八年は千葉県浦安町に送っ
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訪ねた。昨日は松戸から徒歩で市川へ下り、それから八幡まで来て、自動車で帰った。今日はひるまで寝た、労れはすっかり抜け
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あとで、汽船で行徳へ行った。スケッチをした。行徳の町はこれですっかり見た訳。江戸川放水路の堤で休み、行徳橋
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。さらば、吉か凶か。凶ならば蔵書を叩き売って北海道へでも亡命する積り。オウ・ゴッド・アズ・ユウ・ライク・イット。静子
土地に鍬を下ろさざるを得ざらしめている、予は北海道へ落つべきか、平凡に東京で落着くべきか未だ決定していない。
人」は良い芸術である。私は金が出来たら是非北海道の北端地方へ出掛けたいと思う。ああ、よき一日だった。ロティの霊の
似ているので懐しかった。予は明日東京を立って北海道へ旅に出る。何か得るところがあるだろう。根室から網走の方へ行く
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驟雨があった。今はやんでいる。今日秋葉君は本所の「釜屋の川」で腐敗した水の中にもぐって、船の推進器
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山形県まで愛人であった同家のコックを訪ねて、共に最上川に投じて情死を果した。肥ったどっちかと云うと醜い顔だちの女だっ
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で暮す。勤め口があったら勤めても宜し、でなかったら四国へ行っても宜い。
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。ばかな事だった。今は午前三時である。横浜へ行こうと思う。「裸婦」が終ったら行こうと思う。今日は良い為事を
のだから些っと耐える。今は午前四時である。横浜へは行くまいと思う、何しろ金がないのだから。――先日来の
小野金次郎の妻君は胸を病んでいる。余は横浜へ帰る、そして新しく始めるだろう。(九、二〇)
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いる、根室のお文さんがなつかしくて耐らぬ、丁度初めて須磨を訪れ、須子の温かい懐ろでなずんだ後、帰京して暫くは馬鹿のよう
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金が出来たら実行するだろう。誰からも便りなし。「能登の旅」書いている。今は十時。
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は大川に氷が終日流れていた。非常に寒い、北陸地方は例の通り風雪で、親不知あたりはまた鉄道が不通だ。今日は「うらしま
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さあと絶えず流れる風に吹かれて営まれた。大きくパン・ポルの湾を見下ろす断崖の斜面の草地、そこで行き会うヤンとゴオド。その時二人
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昨夜は夕景から、松戸の方へ出掛けた。「一軒家」から乗った船は北風の吹く薄暮の川面
会った。「今朝」で酒を呑んだ。別れてから松戸へ行った。「セキ」の家を訪ねた。昨日は松戸から徒歩で市川
へ行った。「セキ」の家を訪ねた。昨日は松戸から徒歩で市川へ下り、それから八幡まで来て、自動車で帰った。今日
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思い出が胸に溢れたのであろう。弟に会った。神奈川の静子に会った。文子の友の「田村さん」「松沢さん」と云う
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はじめたが止めた。あしたからやる。今夜も早く寝る。吉野から鯉の煮付を届けて来た。うまいだろう。(二五八九、三、三一)
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公がガアタア勲章捧呈の為に来朝している。今日、日比谷公園では日英交歓の音楽会が開かれた。C・S社の足立と云う
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地平線の彼方に海が見え、漁火が揺れていた。千葉の方の灯かもしれぬ。「蒸汽河岸」では某の老船長
大潮で海は見渡す限り干潟になっていた。歩いて千葉へ渡れそうだった。今は風が強い、一時頃にひどい驟雨があっ
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。余は肉欲のどん底を描いてみようと思う。その他神戸時代の(殊に中居天声を主とした)小説「城崎まで」も物
二五八四年の除夜は神戸千秋屋旅館に。二五八五年も同じく神戸に、而して二五八六年は鳥取市に、二五八七年は品川のを宅に、今
きも今は夢に埋められている。二五八四年の除夜は神戸千秋屋旅館に。二五八五年も同じく神戸に、而して二五八六年は鳥取市に、
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穂花が風に揺れていた。今日は天皇の即位式が京都で挙行された。浦安町では夕景提灯行列があった。今日は
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云うのを見た。「文化四年八月十九日 深川富岡八幡祭礼の日 永代橋が墜ちて溺死した者の碑が建っ
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今は十時である、裏のごったく屋では今まで東京から鱚釣りに来た客共が騒いでいた。併しもう鎮まっている
今日は夕景に沙魚を釣った。「み」が東京から来たが、泊らず帰って行った。晩には高梨の家で
四五日日記を怠けた。此の間に両三日を東京で過した。「黄金の卵を産む鶏でも」一幕の構成る。
ばならぬ、余は此の家をも早く去る積り。東京へ帰ることにしよう。為事が快く続かない。今日徳田秋声を訪ねたが
だ、ばかなことだ。末子を嫁に貰おう。ああ昨日東京で、ドラグ・ネットを見た。「伯林」を見た、ドラグ・ネット
。嗽は未だ止まぬ。家を変えねばならぬ。東京へ帰ろう。小説「裸婦」にかかるだろう。暫くは又浄書だ、ばかな
では「がちゃがちゃ」が鳴いている。うるさいことだ。早く東京へ帰ろう。そして為事をしよう。為事だ、為事だ。末子よ安らかな眠り
男よ。何も考えずまた何も為なかった。早く東京へ帰り度い。
まで」も物になりそうだ。為事がしたい、早く東京へ帰ってやろう。躰が良くなって呉れたら。また明日から当分社の
書き出した、うまくゆかぬ、東京へ帰ってからだ、早く東京へ帰ろう。そして為事だ、為事だ。ああ、池谷信三郎が借金で生活し
「田沼」二枚書き出した、うまくゆかぬ、東京へ帰ってからだ、早く東京へ帰ろう。そして為事だ、為事だ。ああ
九年建造のものである。さて寝よう、明日から当分また東京だ、もう間もなく浦安ともお別れである。
ないか、おかしな話だ。何度も斯う呟いた。ああ早く東京へ帰ろう、そして為事をしよう。末子よ平和な生活が卿の上にある
失敗した。今日は朝から曇り、微雨があった。東京から釣りに来た客達が寒そうに舟の中で慄え乍ら沖へ
も未だ疲れが抜けぬ。早く寝るとしよう。末子よ又東京へ来るのだそうだね、早く会おうなあ、静かな夢があなたの夜
今は暴風雨である。隣座敷には魚釣りに来た東京の客が騒いでいる。家主が酒の勢いで能弁にまくし立てている。
今日は東京へ行ってシトロウハイムの「ウェッディング・マアチ」を観た。純粋の自然主義シネマ。
今日は東京へ行った。シネマを観た。帰って来てから「田沼」の第
帰ってから「秋風記」の幕を明けた。明日は東京へ行く、末子が来ているだろうと思う。ああ神よ、今宵の我が
た。秋声の「黴」を読んだ。佳い。明日は東京へ行く。博文館で金を呉れるだろうか、若しそれがだめなら、愈々
雨が降りひどく寒いので今日は東京へ行かなかった。
宅に、今二五八八年は千葉県浦安町に送っている。東京から来る蒸気船ももう終った。今対岸葛西の村を廻る火の番の拍子木
二日怠けて酒で暮した。明日は東京へ行く。我が運命の分岐点が明日の日に賭けてある。さらば、吉
書いた。今は午前三時である、ひどく冷える。此の頃東京市では強盗が頻々と出没する。悪い世態だ。さて寝よう。(二五八九
ざらしめている、予は北海道へ落つべきか、平凡に東京で落着くべきか未だ決定していない。
た。借金を支払えば残りは僅かである。これで当分東京で暮す。勤め口があったら勤めても宜し、でなかったら四国へ行って
昨日は東京から本屋を招いて蔵書を売払った。八拾円の金が手に入っ
今日は「長」を連れて東京に遊んだ。シネマを見せ、地下鉄に乗せ、動物園に「おっとせい」と「
弟と省児とが来た。二十六日には予が東京を訪れた。二十七日には久しく滞渋していた「弘高」第八
好題目である。今日も何も為なかった。明日は東京へ行く積り。また本を売る。今は一時である。井口からは何
金を手にする為に、幾許かの書物を包んで東京へ立とうとしている時だった。予は思わず涙を覚え、井口
。昨日石井信次から来信。康子さん小康との報。明日東京へ行く。(一二)
書いた。今は午前三時である。夜が明けたら東京へ行く。(一五)
帰郷したと。五日から何も書かない。今日は東京へ行って本を売った。木挽町で五円借りた。ひどく参っている
今日東京へ行った。本を売った。上野で「名宝展」を見た、
忘れていた、昨日東京へ行く時、今井から北浦の末子と、麻布の清子とによく似た
今日は東京へ行った。博文館では原稿を拒まれた。でも井口は親切
東京へ行った。木挽町主人が悦しそうに「三十六、もう玄米を喰べなくとも
して赤い燈の揺れて行くのはロマンティクである。明日東京へ金を取りに行く。昨日から今日へかけて十五円を費消した
に木挽町夫人に似ているので懐しかった。予は明日東京を立って北海道へ旅に出る。何か得るところがあるだろう。根室から
今日東京へ行った。国展を見た。良い画があった。河野通勢とその
のだろう。今日は七銭余っている、七日には東京へ歩いて行く積り。いよいよせっぱつまった。(九、五)
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昨夜は代々木の「ヒ」の家に泊った。末子がいた。彼女は故郷へ
一昨日代々木の「ヒ」の家に泊った、夜半近くに火事があった。それ
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も同じく神戸に、而して二五八六年は鳥取市に、二五八七年は品川のを宅に、今二五八八年は千葉県浦安町に送っている。東京から
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の家へ「ひで」と云う娘が来ている、浅草育ちのはすはな娘だ、平気で恋のことなどを明らさまな好奇心を以
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た。「江戸川亭」の肥えた女が、蒸汽のエンジナ大久保君と世帯を持った。別に何も考えなかった。父に手紙を
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今日東京へ行った。本を売った。上野で「名宝展」を見た、「俵屋宗達」の「雷」「風
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河野通勢一派の画は非常に悪い。木挽町に寄った。神田の夫人が来ていた。声が大変に木挽町夫人に似ているの
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文化四年八月十九日 深川富岡八幡祭礼の日 永代橋が墜ちて溺死した者の碑が建っていた」古風な鐘楼が
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た。皆喜んで呉れていた。彦山に電話して京橋の交叉点で約束の時間に一時間ばかり待っていたが遂に会わなかっ